かまどさん

Journal 15.1,2020

かまどさんが割れた。ベランダの台に干そうとした時に手を滑らせて、真ん中からパカーンと綺麗に割れた。お見事って感じ。夜に仕事から帰った夫に土鍋が割れた事を伝えると「不吉な予感だ。」とビビってる。「もう10年以上使ってきて、沢山米も炊いたし、冬は鍋に使ったり、本当にご苦労さまだよ。もう寿命だったんだよ。不吉でも何でもない。」散々お世話になったかまどさんに向かってなんて失礼な事を言うもんかとカッとなってしまった。

20代はじめ、真面目なマクロビ二ストだった私は玄米を炊く為にかまどさんを買うか、カムカム鍋を買うかすごく悩んだ結果、かまどさんを購入した。本当に今日まで大変 にお世話になった鍋だ。

考えてみると、調理器具には思い出が沢山詰まってる。そこそこ値段のした物もあれば、IKEAで数百円で買った物もある。あと何年料理ができるんだろう。そう考えたら欲しい道具はすべて買い占めたい。だけど、この小さなマンションに沢山の調理器具を置く場所もないし、観賞用になってしまうような買い物はあまり乗り気がしない。だからきっと、今日みたいなタイミングが来たらサヨナラだけど吉日だ。未来の私の料理道具を想像すると少し楽しくなった。未来っていうのは、明るくなるようにきっと出来てる。