2020年4月1日 ソーセージエッグ
キッチンの横で「おもちゃみたいや!」遅く起きた夫がパンツ一丁で叫んでる。あなたがおもちゃみたいだよ。いつもそう思う。なんだかフェイクな毎日が続いてる。1ヶ月前、ヤバイなんか結構危ないかも。そう思ってるうちにあっという間に世界は変わってしまった。何が本当なのかよくわからない。もしかして明日の朝に目が覚めたら、またいつもの朝に戻ってて、「あーよかった。コロナなんてやっぱり夢かぁ」って。だけど、考えてみたら変な事だらけだ。数年前に出会った見知らぬ男はあれよあれよと私の夫になっていて、気づけば大分大人な年になっていて、いつの間にか私は写真家になっていた。子供の頃から海が大好きで早く田舎に住みたい東京なんて大嫌いよ!と言っていた私は東京のど真ん中、渋谷の隣駅に住んでる。よく考えてみると全部フェイクっぽい。夫は本棚に向かって挨拶をしてる。お気に入りの動物の置き物たちが4段目と5段目に向かって、「おはようございます!」威勢良く頭を下げた。キッチンを見ると、ソーセージエッグが忽然と消えていた。「ソーセージエッグはどうしたの?!」驚いて聞くと「食べた。」と一言。むしゃむしゃとか、ぱくぱくとか、かちゃかちゃとか何の音も聞いてない。やっぱり夫の事は未だによくわからない。