まさか日本でグラノーラが流行るだなんて、ただのグラノーラがお洒落な食べ物になるだなんて!これっぽちも思わなかった。姉と私にとってグラノーラはとってもヤバイ食べ物だった。10年以上前のいつか、アメリカにある姉の家に滞在していた時、オーガニックスーパーのトレダジョーズのオリジナル商品でドックフードみたいに大量に入ってるグラノーラ。ほんのり甘くてカリカリした食感と、トレダだからっていう安心感、毎日毎日袋をかかえて食べていたのを覚えてる。ずーっと食べてた。冗談じゃなくって、ずーーっとずーっと姉妹そろって抱えて食べてた。「だってヘルシーだから。」そう言い出したのは姉。「オーガニックだし、確かに!ナイス!」と私。ずーっとずっと食べてた。料理好きの母がみたら、育て方を間違えたと悲しんだだろう。それくらいに私たちはハマった。
日本に帰ってからも、ずーっとずっとひとりグラノーラを抱えて食べていた。一緒に住んでたBFに勧めても全く熱い想いは伝わらなかった。そんなある日、ふと何だか怖くなって戸棚に閉まった。1日ひとつかみにしよう。それからグラノーラがちょっと嫌いになった。あいつは悪い奴だと思うようになった。きっと小麦で肌も腸も荒れただろうし、なんせ栄養なんて大したことなかろう。なのに主食みたいに食べれてしまうし、腹持ちも良いし、お菓子にもなれば、酒のつまみにもなった。なんて万能なのだ。まるでジャンクフードじゃないか。一昨日グラノーラを頂いた。久しぶりのグラノーラ。嗚呼、美味しそうだなぁと、キッチンの横で毎日眺めては封を開けないでいたのに、ちょっと食べちゃおうと開けたらやっぱり駄目だ。だから、もうマフィンにして残りは戸棚へしまおう。あー危ない危ない。