まさか日本でグラノーラが流行るだなんて、ただのグラノーラがお洒落な食べ物になるだなんて。姉と私にとってグラノーラは危険な食べ物だった。10年以上前にL.Aの姉の家に滞在していた時のこと。オーガニックスーパーのトレダジョーズのオリジナル商品でドックフードみたいに大量に入ってるグラノーラ。ほんのり甘くて、カリカリした楽しい食感、トレダへの信頼感。毎日、袋をかかえて食べていた。ずーっと食べてた。冗談じゃなくって、ずーーっとずーっと姉妹そろって抱えて食べていた。「ヘルシーだから。」そう言い出したのは姉。「オーガニックだし、確かに。」と私。ずーっとずっと食べてた。料理好きの母が知ったら絶対に心を痛めたと思う。それくらいに私たちはハマった。
日本に帰ってからも、ずーっとずっとひとりグラノーラを抱えて食べていた。一緒に住んでたBFに勧めても全く熱い想いは伝わらない。そんなある日、ふと何だか怖くなって戸棚に閉まった。1日ひとつかみにしよう。それからグラノーラがちょっと嫌いになった。きっと小麦で肌も腸も荒れただろうし、なんせ栄養なんて大したことなかろう。なのに主食みたいに食べれてしまうし、腹持ちも良いし、お菓子にもなれば、酒のつまみにもなる。なんて万能。まるでジャンクフード。一昨日に友人にグラノーラを頂いた。久しぶりのグラノーラ。キッチンの籠に収まってるグラノーラ。何度もちらりと目をやっては伏せた。少しだけ。封を開けて食べてみる。やっぱり駄目。だから、もうマフィンにして残りは戸棚へしまおう。危ない危ない。