トマトチキンカレー

カレー 27.5,2020

久しぶりに美容院に行った。
最近新しく改装して夫婦で営んでる美容院。今にも話だしそうな人形みたいな顔をした犬がいる。

髪を染めて、カットした。夫婦二人が私の髪を触ってる。二人で時々小さな声で言葉を交わす。「この薬は強めだから、ここだけにして。」「うん。わかった。」きっと夫婦は普通のやりとりをしてたんだと思う。何だかとても安堵した。夫婦っていうのはこんなに仲良しで、男女ははこんなに優しい距離で一緒にいるんだ。いがみあったり、強がったりする必要なんてなくて、優しく笑ってるだけでいいんだ。声を荒げなくていいんだ。わざわざ胸を痛めて泣くこともしない。私は何て悪い夢ばかり見ていたんだろう。世界っていうのは、こんなに優しい場所だったんだ。

幸せになるっていうのは、結構簡単そうに見えた。ここ一ヶ月くらいずっと不安が続いてる。久しぶりに少しだけ心が温かくなった気がした。

夜の20時。朝に夕飯の献立を聞いてきた夫だったが時間になっても帰らなかった。ほんの数時間前にも連絡があったばかりだったし、久しぶりに話しが出来ると朝からずっと嬉しかった。だけど、用意した食事はどんどんと冷めていく。1時間を過ぎた頃に連絡を入れると、電話の向こうで怒ってた。「今日は遅いって言った。りょうさんと飲んでるから。」ただただ怒ってる。おかしい。この怒り方、おかしい。お酒を飲んでる事を私に堂々と公言してる。急に怖くなって、そわそわした。時間がぐちゃぐちゃになるのも、まるで酒乱の症状と一緒だ。だけど、何が本当で何が嘘なのか彼のいつもがわからない。もう8年も一緒にいるのに。いつも私は信じるしか出来ない。

こんな遅くにって思ったけど、あかりちゃんにメールした。「ごめん。電話していい?」22時過ぎに変なLINEが入って驚いたのだろう。あかりちゃんは直ぐに連絡をくれた。「すーちゃん、どうした?」あかりちゃんの声。あまりに温かくて、心の底から安堵した。なのに、私の口からは吃音みたいな音、「あ」「ん」しか出ない、声が出てこない。「助けて。」って言葉が、「どうしよう。」って言葉がたったの一つも出ない。怖くて怖くて、身体がどんどん硬直していくのがわかった。数秒して、ダメだって思った。唾を沢山飲み込んで、全身の力を振り絞って言った。

「菊地君がお酒始まっちゃったの!」

家の前にタクシーが止まる音。バタンとドアが閉まり玄関が思いっきりに開いた。「ごめん。」電話を切った。鬼の様な形相の夫。リビングの床に横になりずっと怒ってる。「りょうさんと仕事で久しぶりに会ったから、高田馬場で22時から二杯飲んだだけ。」夫は怒り続けてるけど、内容はよくわからない。話も支離滅裂だった。時間は22時45分。

夜中にフジモンにメールした。フジモンはカウンセリングを勉強してる。お酒の事を聞いて欲しかった。「よしみちゃん、とにかく落ちついて。今日はゆっくりと休もう。」何度も私に落ち着く様に言った。とにかく怖くて怖くて堪らない夜だった。フジモンが言ってた双極性障害って言葉。初めて聞いた。

トマトチキンカレー
ふたのある鍋に油をひいて、たまねぎを中火で炒める。弱火にして砂糖を入れて蓋をして放置。途中かき混ぜる。飴色になるまで。
フライパンに油をひいて、クミンをいれて香りがでたら肉を炒める。
飴色になった玉ねぎの入った鍋にトマト、ニンニク、生姜を入れて炒める。ペースト状になるまで。
スパイスを全部いれて混ぜ合わせる。肉を入れてさっと炒めて、水3カップほど、固形スープの素、カレールウをいれて20分程煮込む。
味を調整して出来上がり。
▽ 材料 ▽
鶏の手羽元 5本
玉ねぎ 1個ースライス
トマト 2個ーざく切り
ニンニク・生姜 1片ーすりおろし
▽ 調味料 ▽
砂糖 大さじ1/2
クミン 大さじ1
カレー粉 大さじ1
チリパウダー 小さじ1
コリアンダーパウダー 小さじ1
固形スープの素 1個
カレールウ 1個