しばらく家を不在にしてた夫が九州土産だと言って醤油を持って帰ってきた。夫はそういう時に嬉しそうな顔をする。だいたいわかる。今から嬉しい顔をするぞーってなるから。醤油好きな私としては、醤油を貰うのはめちゃくちゃ嬉しいのだけど、本当はその顔の方が嬉しい。
友達と会えるようになった数日、みんなが口を揃えたように「自粛生活エンジョイしてたよ~。」と言てった。なんだか一人だけ浦島太郎みたいな気分。夜は友人らと渋谷で焼肉を食べて帰宅。コロナで世界が一変したのに、東京にいる友人達はいつもと変わらない。
夫は今日も闇酒場だと思う。作った煮卵が冷蔵庫で冷えたままだ。渋谷からの帰り道。夜がずしりと重い。高台にある我が家までの一本道が好きだった。夜になると遠くに見える首都高が光って見えるのが気に入ってた。だけど今日は違う。いつまでこの地獄は続くんだろう。帰らない夫を待つ夜は長い。だけど大丈夫、明日こそきっといい日がくる。明日こそ世界は私を傷つけない。