幸せになった時に、こんなに惨めで、寂しくて、寒かったことをよく覚えておこう。今がどん底なんだから、よくなったときに読み返そうと。その日に何を食べたかまですべて、どん底生活の記録を続けていました。林真理子さんの “野心のすすめ” の一節。
2018年12月27日、夫への手紙をメモしていた。
もうこれ以上お酒を呑むのはやめてほしい。私の心と身体は限界にきています。私も反省する所があるからゼロからやり直そう。
一ヶ月前にも同じ事を夫へ伝えていた。だけど、私の反省する所って?
家に帰らない、仕事も何をしているのかわからない、嘘をつき呑み続ける夫に、朝方家に帰れば怒り狂う夫に、女と呑んで独身みたいに遊んでいる酒癖の悪い夫に、「家に帰って!」「いい加減にして!」と怒るのは反省する事なのだろうか。2018年のいつか、いつもの様に朝まで帰らない夫と揉めて、そのまま殆ど寝ずに仕事へ行った。帰宅すると夫は泥酔状態のままベッドを占領していた。酒気漂う部屋を後にし近所のPRONTOへ走り、とにかく何か食べて元気になろう!と頼んだトマトスパゲッティー。あまりに美味しくって夢中になって食べて、気づいたらそこで寝ていた。当時も大分痩せたから食事をきちんとしてなかったんだと思う。また2年前と同じ事を繰り返してる。
日記やノートは気持ちを爆発させる場所だと思ってた。だけど、そうじゃない。もう二度と同じ事を繰り返さない為の記録。きちんとそれを覚えておく為の記録。毎日が変化して毎日を必死に生きているように思っていたけれど、変わっているのは目の前の景色だけであって、私も変わってないのかもしれない。夫のいい所を数え切れない程知ってるけど、夫との生活は想像以上に辛いことの連続だ。