昼食のこと

和食 08.9,2020

午前はトレーニングに行って、そのまま病院へ。胃ガンの検査にひっかかってた。帯状疱疹のお薬を薬局で受け取る。午後に夫と話をしようって約束をしてる。本当に今日は帰ってくるのかな。そんな事を姉と電話しながら帰宅した。

遅い昼食を終わった頃に、急に “今から帰る。”とLINE。
数週間ぶりに帰宅した夫。当たり前のように畳に横になってる。「話をしたいから起きて。」「頭が痛いからこのままがいい。」向き合いたく無い時の夫はこういう感じだ。帰宅した事で精一杯なんだろう、きっと。「疲れた」何度もそう言った。目がすごく鋭かった。

夫は今、躁状態。春からだと思う。3月、殆んど睡眠を取って無かった。とにかくアイデアが浮かんで来るようで、椅子に座ると直ぐに立ちあがって、家中をそわそわと歩き回った。躁状態に入ると止まらない。どんどんとハイのハイになって、そのうちに凄い力を持った権力者だとか、悪い王様みたいになってゆく。誰の声も聞かない。いつもの優しい夫とは正反対となる。

「俺は1000万今年稼ぐから。何かお金の支払いなんかあるなら、全部、請求書を出して。」荷物をまとめながら言い放った。「もし、仕事が必要なら店舗を撮る仕事回してやってもいいけど。」私、建築写真家じゃないし、なんで嫁が家のお金で夫に請求書を出すんだろう。この人バカなのかな。バカなんだよ。本当に無知で幼稚で、バカなんだよ。今、CEOっていう肩書きを手にしたけど、ほんの数ヶ月前まで、音楽を除いては殆んど稼ぎがなかった。「今日はコーヒーが10杯売れたよ!」1杯300円程のコーヒー。祐天寺の商店街の真ん中で不法の店をやってた。溜め過ぎていた年金も少しずつ払うようになって、駄目な色々の事も一つずつ潰して綺麗にしていった。少しずつ自分の力で自立してくれたらいい。絶対に私の紐にはさせないと心に決めてた。だから貧乏でもいい。それに彼には才能があると信じてた。その才能が音楽なのかどうかはわからないけれど、悪い所が失くなれば、この人は人の役に立つ人になれる。ゆっくりと一緒に進もう。優しい夫がいてくれるなら、そんな毎日で十分に幸せだった。

「俺は別にどっちでもいいから、離婚したいかどうか選んで。」話し合いは一切してない。沢山の酷い事についても、やってしまった出来事についても、聞きたい事や話したい事は山ほどあるのに何も言わない。夫に会社を作ってあげた飲み友達が車で来て、夫の荷物をぱっと持って行った。

今年は夫に青柚子胡椒を食べさせてあげられなかった。今年も上手にできたのに。
がらんとした家で、気持ちがずっと動転してる。


昼食

鯛のお刺身と青柚子胡椒
トマトとキャベツのお味噌汁
糠漬け
納豆卵
大根おろしと紫蘇の醤油漬けにマヨ