山形のだし

和食 12.9,2020

昨日から人生をお休みする事に決めた。お休みって言っても、特に何かするわけじゃない。ただ、もう頑張るのが疲れた。考えるのも疲れた。何もしたく無い。心も身体も衰弱しきってる。午後に会ったアカリちゃんに伝えた。「ちょっとお休みしようと思う。全部。写真も料理も。ぜーんぶを。」

ずっとずっとわかってたけど、頑張るのをやめられなかった。夫の酒乱に気づいたのは4月のいつか。夜22時を過ぎた頃、アカリちゃんに連絡をしようと携帯を取った。身体が硬直してる。血の気が引いていくのがわかる。「もしもし?どうしたの?」声を聞いてほっとしたのと同時に、声が失くなった。「助けて」と言いたいけど、声が出ない。喉の奥にぐっと閉じ込められた声が止まってる。

あの夜から。あれが始まりだった。
そして、2年前のトラウマも私をぎゅっと掴んで離してくれなかった。

人生をお休みすると決めて今日で2日目。お休みしたって結局憂鬱。とにかく休もう。ベッドに横たわると、いつしか寝ていた。大きな問題があるのだけど、今すぐに夫に連絡してあげなきゃっていう夢を見た。目覚めて、ぼんやりとする。現実がどっちかわからなくなる。ああ、夢。夫に会えた気がしてほっとした。

夕方、編集の仕事をしてる栗さんの紹介で料理写真家の梶原さんっていう方に写真を見てもらう約束をしていた。ポートフォリオを持って市ヶ谷の方にある事務所へ向かう。出会った瞬間、マスク越しでも優しい笑顔が溢れてるのがわかった。一枚一枚ゆっくり写真を見て、話をしてくれて、私の話も沢山聞いてくれる。嬉しい。すごく嬉しい。写真を沢山褒めてくれた。もう辺りは真っ暗だったけれど、いつもの怖い夜じゃない。御礼を言って事務所を出て駅まで歩く。やっぱり人生をお休みするのはやめる。

「あなたは広告じゃなくって、あなたの写真を撮った方がいい。残念だけど僕から紹介出来る仕事は無いよ。あなたの写真を見て、すごく写真が撮りたくなったよ。」

世界に突然嫌われてしまった毎日に、一人ぼっちになって信じるものが失くなってしまった毎日に、写真が私を救おうとしてる。どんな日だって料理も写真もやめない。今日もご飯を作って、写真を撮ろう。続ける事をやめたくない。

やっちゃんのレシピ、山形のだし
きゅうり、茄子、みょうが、大葉をみじん切り
お好みで鰹節や切り昆布
味付けは麺つゆ又は味どうらくの里などの出汁醤油で。