夜食

和食 21.9,2020

早朝、家の前に出した荷物を何も言わずに夫は運んで行った。ずっとそわそわした。ダメだ、気持ちの一ミリだってもう戻っちゃいけない。だけど、これが最後だと思うと伝えたかった。

「僕は変わりたいんだ。もう絶対にお酒で傷つけない。だから一緒にいて欲しい。」ポッケに入った婚姻届、折り曲げられた婚姻届を見て素直に嬉しかった。その数ヶ月後に私達は籍を入れた。2016年の事。お酒の事はずっと誰にも話せなかった。それから1年後にまたアレは始まった。

夫にメールする。「何の話合いもないままで離婚で本当にいいの?私達は8年間、ずっと一緒にいたんだよ。」

返答は無し、ずっと夫は無視だ。4月から。ずっと無視。どんなに酷い事をしても無視。「お前が悪い。」酒を飲んで夜中に泥酔して言う言葉はいつも同じだ。「うざったい。俺の好きなようにさせろ。俺は忙しい。」

夫が出ていってから、私はずぶずぶと溺れて行った。ずっと夫を救いたかった。夫を助けなきゃ!助けなきゃ。苦しくても助けなきゃ!そうやって半年が過ぎた。「助けを求めない溺れる人を助けると溺れますよ。」夫の事で行った心療内科の先生の言葉。ちゃんと聞けば良かった。

夜みたいな一日がいる。秋の風が気持ちがいい。だけど風でさえ怖く感じる。頭がついていかない。怖い。空は青くて晴れてるのに、太陽の温かさが届いてこない。私、溺れた。

夜食
ご飯と梅干し
しじみ汁