目玉焼きトースト

Journal 10.10,2020

2週間ぶりの心療内科。
「先生、実は、薬は3日目で吐き気が止まらなくってやめちゃいました。だけど、お酒はずっと飲んでません!心も体もすごくいいです。」

私の元気な様子に先生はびっくりしてた。笑顔で言う。
「よく頑張りましたね。お酒は睡眠に障害を与えるし、どうしても枯渇していってしまうからね。いい状態で良かったです。何があったのかな。」

1週間前、夫が鍵をポストに入れていった。
それが理由なのかわからない。だけど、私はこの2週間で見違えるように元気を取り戻した。もう怖く無い。まだ完全じゃないけど、今日は前へ向かってる。

2週間前、病院に中々着かなかった。
246を三茶に向かって歩く。歩いても歩いても進まない。歩くって、こんなに大変なんだって。身体が重くて、足を前へ運ぶのが、歩くことが、どこかへ向かう全てが辛い。生きるってこういう事なんだ。時間が流れている以上、私は生きるしか選べないんだ。ここで全てを止めたい止まりたいのに、時間も止まって欲しいのに止まらない。目の前の世界がテレビのノイズみたい。何も聞こえないのに煩くて堪らない世界が重く私にのしかかった。

チーズトーストを焼いて、その上に目玉焼きをのせて、ケチャップをかける。ぱくぱくと頬張ると、お皿の上にゆっくりとしたスピードで黄身が落ちていった。なんだか音が聞こえてきそう。黄色い黄身。すごく綺麗。慌てて食べないでしばらく見ていよう。静かに時間の中に落ちていく。

チーズトースト
6枚切りの食パン
スライスチーズ
目玉焼き2つ
ケチャップ