時効

Journal 02.11,2020

11月2日、私の誕生日。
今日は時効の日。何ヶ月も前からずっと決めてた。今日という日がきたら、時効にしようって。私が飲み込んでしまった全ては、私の血や肉となってしまったけれど、もう知らない。トラウマが私を襲い続ける毎日を毎時間を隣に置いたままで、今を生きよう。今を生きなきゃいけない。

誕生日の前日に警察に被害届けを出しに行った。9月に出すようにと人に言われてたけれど行けなかった。今日の小さな勇気を捨てたら、あっという間に来年の今日になる、その日に後悔する私が見える。私を守るのは私しかいない。本当にこれが正しい決断だったのかわからない。もう全てが怖くて、整理も出来なければ、答えも出ない。ただ、これ以上に傷つきたく無い。

震える口から出てくる言葉が変だった。女性の警察官に何度も強く言われた。「あなたのことを聞いてるから、あなたの話をして下さい。」私は私じゃなくて、彼だとか、誰かがとかばかりで、上手に話せなかった。私が辛いと言えなくて、時間をかけてゆっくりと話した。過剰に話さない。大丈夫です。とも言わない。他人事みたいに私が見た出来事を話す。

「それって、おかしいよ。DV受けてる人みたいだよ?」どれだけ沢山の人に言われても、全然聞こえなかった。いつも耳を塞いで、背筋を伸ばして堂々と家に帰った。私が乱すわけにはいかない。私に投げられたボールをきちんと返したい。だけど、私はずっと一人でラリーしてたように思う。彼は私の前にいない、いつも一人で必死にこのボールが止まらないようにと見えない壁に向かって必死に打ち続けていた。

良い悪いじゃない。許す許さないじゃない。
今日で時効。

夜は友人と下北沢で食事をした。
外はずっと雨。全てが流れて無くなってくれたらいいのに。