トマトとほうれん草のスパゲッティ

Journal 05.11,2020

昨晩、兄の元にようやく彼から連絡があったそうだ。
彼の話は変だった。すっぽりと犯した全てが抜け落ちていた。現実だけが、ぽつんと残ってる。兄は困惑していた。

息を切らせて興奮して私に話す兄。それは無意味な事を私は知ってる。自分の常識で彼の話を聞いちゃいけない。彼の言葉じゃなくて、今、どういう行動をしてるのか、どうしたいのか、意図を汲んであげないと、自分が壊れる。兄には感謝してるけれど、彼との対話は簡単じゃない。

彼は、ある時期が来ると、突然、肩書きを沢山持った人になる。私も聞いた事が無いような職業も沢山あった。とても偉そうになって、人に悪態をつき、汚い言葉や強い言葉を平気で放つようになる。かと思えば、もう死にたい、もう音楽なんてやりたくないと、数週間、数ヶ月とベッドから出ない事もあった。「俺はもう何も出来ない。どうしたらいい??」朝から晩まで同じ質問が永遠に続いた。ほんの数秒前まで子供の癇癪のように怒り狂ってたのに、急に「どこにも行かないで」と、必死に私の腕を掴んで離さない。どちらも彼。全て彼。それが、彼だった。そういう彼と私は8年間生きてきた。

とにかく苦しんだ日々が多かった。だけど、私の願いは、ただ、人を傷つけないで欲しい。それだけ。

今日は朝から辛い。だんだんと頭痛が始まってくる。私のトラウマはそんなに簡単には終わらしてくれない。駅を歩いてると、くらっとした。頭が破裂しそう。過度なストレスが溜まると、固まる。目の前は忙しなく動いているのに、私は石みたいに、ぽつんと、その場所に停止してしまう。あれが始まると私は何も出来なくなる。

早く帰宅して横になる。苦しい。やらなきゃいけない事がたっぷりあるのに。兄の話す彼が私の中でループする。人を憎みたくない。変わり果てた彼でも嫌いにはなれない。ただ、全身で嫌がってる。名前でさえ耳が拒否してる。ただただ、怖い。

少し横になる。そして、デスクに座った。
さぁ、始めよう。少しずつでいい、今をしよう。