夕飯

和食 16.11,2020

久しぶりの東京。
本当は東京に帰るのが少し怖かった。姉にメールする。「月末に引っ越しが決まったから、何かあっても私に直接伝えないよう、皆んなに言って。とにかく、姉を通して。」

元気を取り戻せば取り戻す程に、あの場所への恐怖が大きくなっていく。もう2度と、あそこへは行きたくない。もし、また大きな哀しみに襲われたら私はもう帰って来れなくなる。そんな気がしてならない。家に入ると、二つ鍵をしてチェーンをかけた。絶対にもう来ない事はわかってるのに外せない。

また堕ちたら、引っ越しなんて出来なくなる。やっと、ここまで元気を取り戻したのに。8年間想い続けて、何よりも誰よりも大切にしてきた人が、今だに私の毎日を襲い続けている。

家を出て行った次の日に彼と電話をした。9月の初め。「俺は忙しいから邪魔すんな。2度と連絡すんな。」2、3分、彼は怒り散らして電話を切った。沢山伝えたい事はあるのに、何も話せない。私達には話す事が沢山ある筈だ。夫婦を続けるにしても止めるにしても、未だ夫婦なのだから。

彼の声を呆然と聞きながら、見てはいけないものを見た気がした。人が人を殺すとか、人が人を騙すとか、人が人をどうにかしてしまうような、言葉には出来ない何か。もう2度と見たく無い。死んでも見たく無い。

あの時は私は胃癌の検査の再検査中で、体調がとても悪かった。勿論、彼も知っていた。どういう気持ちであの電話を切ったんだろう。結局、私達は一度も話合う事が出来ないまま。来週に5年住んだこの部屋を出る。

夕飯
梅干しご飯
具沢山のお味噌汁(パプリカ、セロリ、人参、ひき肉)
麩チャンプル