11月26日

Journal 26.11,2020

今日がこの部屋での最期の夜。夕方、駅前にある文化浴泉に行ってきた。久しぶりだな。サウナに入ったら、夏の日の事を思い出した。

彼から久しぶりに電話が鳴る。ドライヤーで髪を乾かしてた時だったかな。心臓が止まりそう。直ぐに3分20円のドライヤーを切って電話に出た。内容はたいした事は無かったけど、凄く怖かった。そう、ただただ凄く怖かった日のことを思い出した。

今日でぜーんぶ綺麗さっぱり銭湯行って、サウナですっきりって思ったんだけど、哀しくなって帰った。そうだ、あの日にあの日もあの日だって、凄く苦しかった。電話を切って、不思議な気持ちだった。私には、病気の彼と、そうじゃない彼と、いつもの彼が入り混ざって、だけど、もう本当に限界だった。明日もまた、酷い事が起きる。彼を信じようとする自分がいるのに、明日が来る事に怯えた。

どうして夫になったのに、どうして世界で一番信用しているのに、この生活を壊したんだろう。私が何より大事にしてるのに、何より大事にしてるここを、テコを、傷つけたんだろう。何回、何十回、何百回と思ったけど、彼は加速して最悪になっていった。

銭湯を出て、濡れた髪で家まで走る。最期の夜に気持ちよく終わろうとした自分に後悔した。簡単に逃れられるわけがないよ。苦しい事の方がずっとずっと多かったのだから。いい思い出がある筈なのに、出てこない。濡れた髪がどんどんと肩の上で冷たくなっていく。


苦しい夜は、今日で最期になって欲しい。
もう、これ以上の哀しみを世界に見たいと思えない。