夕飯

和食 01.12,2020

姉と電話で話す。

「ママってデリカシー無いよね。」
「そうそう、そういう人なんだよ。結局さ、文句言いながらもパパと一緒にいるし、離婚の苦しみも、夫が死ぬ苦しみも、わかんないんだよ。」

ママが悪いとは思わないけど、デリカシーの無さに苛々する事がある。だけど、姉の言う通り、わかんないんだろう。それが例え親であっても、わからない。

いいとか、悪いじゃなくって、わからない。
夫が大病であっという間に死んで、看病の疲れや、悲しみに更ける間も無く、アメリカで三つの裁判に巻き込まれて、今、姉が、私によく言う言葉は「わかるよ。わかる。」「私なんて、酷い時はニコの骨壷に手を突っ込んで泣き叫んだからね。」

変な運命だと思う。蠍座の姉と、蠍座の妹。今までだって仲良し姉妹だったけれど、姉とは、姉妹を超えちゃった気がしてる。同じタイミングで私達に起きた事は、異常だった。こんな話、今まで知り合いの知り合いにだって聞いた事がない。どうして、こんなに世界が狂っちゃったのかわかんないけど、だけど、今の姉がいてくれたから、私は一人にならないですんだ。

10年前の今。ニコチャンはアメリカで流行り始めたブルーマンのツアーで忙しくしてて、私達はヘレナの小学校の友達のゲイカップルファミリーの豪邸にお邪魔して、映画みたいに大きなクリスマスツリーの前で最高な気分で乾杯した。まさか、こんな人生が待ってるなんて、人生って本当、どうかしてる。