
朝5時過ぎに目が覚める。
最近、ずっとベッドから出れなかった。夢と現実で行ったり来たりしながら、私の人生を今を後悔し続ける。どうして、私、ここにいるんだろうって。ふかふかのベッドの中で、じっと、考えて、考えて、朝陽の中で布団に潜る。だけど、今日は違う。未だ外は暗い。ベッドからぱっと起き上がり、キッチンに行きお茶を淹れた。
ストーブをつけて、デスクに座ると、あっという間に朝がやってきた。お腹が空いたな。7時を過ぎている。トーストをセットして、スープを温める。テコのご飯を準備して、、焦げた匂いがする。あーやちゃった。だけど、いい香り。トースト、綺麗だな。ちょっとやりすぎちゃったけど、焦げてるくらいが丁度いい。何だか、今日はいい。朝から色々と丁度いい。
携帯を見ると、りょーこちゃんからのメールが入っていた。言葉が入ってくるのと同じタイミングで目から涙が溢れていく。
私はたぶん、幸せになる権利を失った。
「そんなこと無いよ。未だ若いんだから。人生これからだよ!」なんて、皆が 声をかけてくれるのは、すごく嬉しいけど、そんな簡単なじゃない。離婚って、パートナーが死別するのと同じくらいのストレスがかかるって何かで読んだ事がある。姉が前に言ってた「うちは死んじゃったからさ、死んじゃった方が楽だよ。」その時、そうかもって思った。どちらかが死ぬまで、一緒にいようと約束した人がいなくなるのは、簡単じゃない。まるで魚の半身みたいに、半分無くて、半分露わだ。切れた身体は、もう絶対に戻れない。
半分を失って、これから、どんな形をして生きていけばいいのか、どんな風に笑ってどんな風に怒って、どんな風に愛していいのか、正直わからない。人の温もりを思い出そうとしても、わからない。
今朝、ベッドに置いてきたのは、不安だったと思う。
りょーこちゃんのメールが私を温めてくれる。
誰も知らない見えない未来の話なんてしない、今の私を温めてくれる言葉だけが並んでた。
冷めてカチカチになった焦げたトーストは美味しく無い。だけど、熱々で焦げたトーストは美味しい。