食卓

Journal 31.12,2020

目が覚めて、ベッドで変な事を思った。
私、もう誰かとセックスしていいんだ。

諦めていた事とか、無理だった事とか全部できるんだ。何でも手に入るし、何でも経験出来る。すごく、わくわくした。昨日と今日はそんなに変わって無い筈なのに、20歳の誕生日を迎えた時みたい。急に世界が広がった。

6時過ぎ。綺麗だな。朝になる時間がやってくる。


梃子はまだベッドで寝てる。一人で作業しながら時々窓に目をやる。朝陽が入る前も、入ってきてからも、この時間を見れる事が、毎日見てるのに、嬉しい。刻々と変わる静かな綺麗な時間。何度見ても飽きない。

今日まで日記を少しずつまとめてきた。大晦日までに終わらせたいって思って、終わった。数ヶ月前からずっと決めてたけど、中々、心が追いつかなくて手につけられなかったけど、1日1時間とか、1日2時間とか、少しずつ少しずつ、スピードを加速して、少しずつ、私の心に免疫をつけて進めてきた。向き合う事はやっぱり辛い。だけど、終わった。嬉しい。やればなんとかなるもんだ。

午後は、年賀状を書いた。ほんの数十枚だけど、仕事でお世話になった人とか、伝えたい事がある人、師匠、数人の友人、想う人にだけ。名前が変わるから、何だか今年はやめようかなって思ったけど、コソコソしたくないから書く事にした。ぎりぎりまで迷ってたけど、運良く年賀切手も買えて、それが可愛くてまた嬉しい。

こんなに大晦日を大切に過ごした事は無いと思う。今の所、人生で一番清々しい大晦日。一年の掃除と、一年の整理と、来年の支度をゆっくりと時間をかけてやる。いい日。

綺麗になった湯船に浸かりながら、ぼーっとする。夕陽が曇りガラスを照らしてる。この家の好きな所の1つは風呂の中に夕陽が落ちる。毎日、この時間にお風呂に入りたいって思ってた。入れない日の方が殆どで、何だか毎日惜しい気持ちになったけど、今日は入れた。

いい一年だったとは言わない。だけど、今日はいい。いい大晦日。お風呂から出たら、ビールを飲もう。母が送ってくれた鮭とばも焼こう。じゃあ、ご飯も炊こう。