茄子とトマトとモッツアレラと鮭のスパゲッティ

Journal 23.1,2021

出張で数日間、家を空けてた。
久しぶりの我が家、明日からの出張で梃子はずっと千葉に預けてる。家の中がとにかく静か。いつもの私がやってる独り言は、独り言じゃなくって梃子と話してたんだって気づいた。独りで話すのが何だか寂しくなった。私の声が壁に跳ね返ってくるみたい。

旅に出ると、気持ちが私から離れるのに今回は離れてくれなかった。山口県はとても自然豊かで、沢山素敵な場所や人を訪ねた。同行したライターの船橋さんとも色々お喋りして楽しかったし、ご飯も美味しかったし、新しい何かに触れる度に心が弾んだ。だけど、私はいつになったら楽になれるのかな。ゴールの無いゴールに向かって、急ぐことも無く淡々と歩いているみたいって、山道を揺られて走る車の中で何度も何度も思った。

「もう本当にいや。」

最近、私の心の口癖になってる。頑張ろう、とはもう何だか思えない。頑張っても変わらないから。逃げてもいいから、辛くてもいいから、弱くてもいいからあの場所にいても良かったんじゃないか。前に進む意味がよくわからない。進む事は出来るし、どうして進まなきゃいけないのかもわかってる。離婚して180度、世界が変わった。本当に良かったんだろうか。生活も友達も私がやろうとしてる事も私自身も変わった。山若くんに頼まれてるマッチングアプリも相変わらず、プラスチックな気分で続けてる。どういうつもりでこの人は私に「ご飯作って欲しいです。」ってメールしてるんだろう。会った事も声を聞いた事も無い。気持ち悪い。返信するのをやめた。

ポストにパリに住むまゆみちゃんから手紙が届いてた。まゆみちゃんの字を初めて見た。こういう字を書くんだ。彼女の筆跡は私の知らない一面でちょっとびっくりした。いつもクールだし、このコロナの中でもフランスで一人堂々と生きてる女の子だ。だけど、今日はずっとずっと子供に見えて、可愛いって思った。

冒頭に、2020年12月31日の夜に書いてるって記してあった。カードにぎっしり詰まった言葉は、まるで私へのラブレターみたいに感じて何だかすごく嬉しい。初めて会った日の事が書いてある。うふふって私が笑うのが良かったんだそう。2021年はうふふって笑ってね、って。私は自分がガハハって笑うのかと思ってたけど、うふふって笑うんだ。彼女が見ている世界は優しい。どうか、私はその場所にいれますようにって思った。カードは土に埋めると植物が生えてくるとフランス語のイラスト付きで書いてあったけど、しばらく側に置いておこうと思う。大事にしたい。

もう何も失いたく無い。誰も、誰かも、知らない人でも、もう哀しい世界は見たくない。溜息みたいに出てくるこの世の果てみたいな気持ち。こんなのはよく無いから、これが出る度に違う言葉を吐き出そうかなって考えてる。全然関係の無い言葉。「hello」とか。「would you like something to drink?」とか。心が拍子抜けしちゃような全然違う何か。

今日はちょっとだけ泣いてから寝よう。明日は朝一で羽田空港。こないだは、ターミナル間違えちゃったから、明日は間違えないようにしよう。