
午後から日本橋で仕事。何だか今日は穏やか。天気がいいからかな。終わったら、近所のたまちゃんも誘ってみんなでBASEMARKのAWの展示会に行こうって話してたけど、たまちゃんがお腹が痛くなって、ミオちゃんも仕事だったし、私も何となく図書館に予約してた本を取りに行こうって思ってやめた。
この街に帰ってくると、ほっとする。あたりは真っ暗だけど、踏切の途中に立ち止まったサラリーマンが今にも終わりそうな夕陽を携帯で写真を撮っていた。こんなにも毎日が平和なんて、ちょっと不気味なくらい。おかしい感覚だと思うけど、少し物足りない毎日に未だ慣れない。よくわからない何かを必死に解読しようとしてた毎日に、思い通りには全くいかない毎日に、途方の暮れる毎日に、何かを置いてきたみたい。夜なのに真っ暗なのに、深く深呼吸するみたいにべたっと身体が安心してこの街に落ちていく。
予約してた本は二冊。スティブンショアーの写真集と、臨床心理士の信田さよ子さんの共依存についての本。なんだか、なんでだかわからないけど、臨床心理士みたいな心理学に関する仕事か、写真の仕事か、17才の時に未来に希望を抱いた私は二つの選択肢で人生を考えた。心理学ならアメリカに行きたいとも考えてた。フロイトに憧れて左腕にフロイトの言葉を入れたのもその頃だったと思う。あれから何回恋をして、何回引っ越しをしたんだろう。時間がこんなに経ったのに同じような事を考えてる。
心理士の夢はさっさと捨てたけど、手にしている本を借りたのは8年も依存症の人と過ごせた自分が共依存だったんじゃないかって気になったから。誰もがしない選択を敢えてした自分に後悔しているし、もし病気への知識があったら彼を救えたんじゃ無いかと後悔してる。だから、苦しむ時間がここに未だあるのなら、もう少しだけ、どうしてなのか知ろうと思った。私はこの先、きっと一生、後悔し続ける。だから逃げたく無い。