鯖缶のトマトスパゲッティ

洋食 21.3,2021

携帯を見ると、夜中の2時を過ぎてた。梃子が雨に向かって吠えてる。こんな時間に目が覚めるのは久しぶり。しばらく梃子をぎゅっと抱きしめながら、カーテンの向こうで雨が鳴るのを見ていた。この家は本当に静か、安心する。段々と目の前といつかがシンクロする。あの長い夜に何の意味があったんだろう。キッチンには冷えた夕飯。帰ると言ってから、5時間、6時間はゆうに過ぎてる。メールをしても既読スルー。ベッドから窓辺にある時計を見るのがすごく厭だった。時間が重なっていく度に不安が募っていく終わらない夜。いつの日か、夫が帰らなくなった夜が続いたある日に時計を押入れにしまった。

少し寝坊して、7時過ぎに目が覚める。PMSはまだ来てない。むしろ今日も絶好調に楽しい。餅を焼き、厚く切った冷たいバターを乗せて、甘露醤油を垂らして食べる。山形に引っ越した編集のざおーとLINE。仕事の事を相談したり色々メッセージ。会いたいな。そんな矢先に兄とメッセージして、芋煮会の大宮くんともメッセージ。今日もとっても楽しい。

昨晩に読んだ河合隼雄さんの本の中で「生まれ変わるためには死なねばならない」っていう話があった。肉体的な死ではなく、心の死。人間は時に、きちんと死なないと次にいけない。間違って体が死んでしまう人もいる。自殺って事。それを心理士として、きちんと側で見ていてあげる、上手に心が死ねるよう。そういう感じの話だった。何だかわかるな。中途半端に生きてると生まれ変われない。いつまでもその場所でゾンビみたいに生きてしまう。だっていつだって死ぬのは怖いし、その先が見えないから死のうとは思えない。だけど、死にそうになると死んでもいいかもってなる時があって、死ねる。こんな話、誰が聞いてくれるんだろう。友達に話したらきっとまた、とち狂ったと思われるだろう。河合さんとお喋りしたいな。何だか明るい写真が撮りたい気分。ざおーと朝から不倫の話になった。山形と東京の昼顔について。あれはゾンビの成せる行為な気がする。いっぺん死んじゃえばいいのに。人生って楽しいよ、だって死ねるんだから。お腹空いたな、昼はトマトスパゲッティを作ろう。

鯖缶のトマトスパゲッティ
スパゲッティ
トマト缶
鯖缶
にんにく
春菊
みじん切りの玉ねぎ
ナンプラー

オリーブオイル