トマトスパゲッティ

洋食 24.4,2021

店を出たのが19時半くらい。夜風が気持ちいい。下北沢でイマムと仕事の話をしたあとに、藤原さんが合流して3人でお喋りした。藤原さんは3週間前に亡くなった友人をきっかけに出会った子。

通りに面したバーから人が溢れ、星野源さんの曲が爆音でかかってる。緊急事態宣言の前夜にぎゅうぎゅうの店で盛り上がるってどうゆう気持ちなのかな。家に帰ろう。慌しく光る街を通り抜けて家路につく。街の音を聞きながら帰った。色々な想いなのか考えなのかが頭の中を駆け巡る。いつもなら片付かない気持ちは片付けたいから通りに立ち止まってでも携帯なんかに書き留めるのに、今日はなんだかやめた。

よくわからないけれど、すごく気分がいい。当たり前のように誰かの物になった自分が、当たり前のように別の名前を名乗っていた自分が、また当たり前のように別人になる。何だか役を演じてるみたい。変な感覚だけど、実感もきちんとあるのだけど、他人事に出来る感じ。不思議な感情。もう二度と来ないと思った夫の依存症がはっきりと始まったのが1年前。癌かもしれないってなって子宮内ポリープを取るために手術した時とか、自転車事故で血まみれになった時とか、20代前半、パリで荷物一つ持ってなくってトランジットを失敗してカードもキャッシュ1ユーロも持ってない色々が空っぽな深夜の空港に残された時とか、好きな人が倒れうずくまって脳梗塞で死にそうになった時とか、人生の中でちょっと待って!って、一旦フリーズしてしまう様な抱えきれない衝撃を受けた日はそこそこあったけど、全くもってそんな衝撃どころじゃなかった。人生は山あり谷ありだと言うけど、バイオハザードみたいにゾンビに大事な人が食われちゃったのに、その悲しみはまたゾンビになって現れるみたいな。この1年はまるで10年くらいの不幸話がたっぷりと詰まってる谷の谷の谷の連続だった。

果てしなく長かった1年、本を読まない私が沢山の本を読み漁った。もう世界のどこかで同じような不幸を経験した人が対処した術を探さなくても大丈夫。哀しかったり、苦しかった事はこれからきっと面白いことになる。どうしてそう思ったのかわからないけど、そんな予感がした。

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