手巻き寿司

和食 04.5,2021

今日は近所の友人の結婚祝賀会。手巻き寿司の材料を買うため、ミオちゃんとイマムと上町のオオゼキの前で待ち合わせ。小走りで向かう道の途中で思いだす。”あ、やっちゃんの誕生日だ。” 山形出身の友人らと集ってる会がある。グループラインに “おめでとう!”ってLINEした。

ビールを飲みながら、手巻き寿司の準備を始める。”誕生日は明日だよ!” 沢山のお祝いの中にやっちゃんからのLINE。”ヘレナが今日誕生日だよ!” 姉からのLINE。あ、間違えちゃった。ヘレナが今日でやっちゃんが明日だった。めでたい事には変わりない。それに、今日は我が家で祝賀会。めでたいのトリプル。世界が平和でいてくれて、たぶん嬉しい。だけど、私の中はここ数日また空のペットボトルみたい。何も出てこなくて味がしない。ただただ軽い。

人が食卓の上で鳴らす音って落ち着く。ビールを沢山飲んで、手巻き寿司も沢山食べた。食べ過ぎてお腹が張っちゃって、横になる。イマムとしみるさんも途中で昼寝して、その後にたまちゃんもソファーで寝てた。まるで正月の親戚の集まりみたい。時間が今日を持て余してる感じがいい。夜が始まりだした頃に皆んなは帰って行った。

夜中にのむらさんからメールが入る。
” こんばんは。 生き地獄の話、いっそ殺してほしいって気持ち、ぼくも知っている、って読みました。”

メールの冒頭を読んで気づく。あ、そうだ。先週も今日みたいに空のベットボトルみたいだった。のむらさんは、男だけど男をやめて男になった人。3年前にいきなり仲良くなった。3年前も今日みたいにお互いに生きる話をして、そのメールのやりとりは数ヶ月と続いた。

今も同じだな。あれから、お互いに色々があったと思う。生きる話でも前とは全然また違う話をしてる。私は私が死んだ話をして、のむらさんは過去に男の自分がどこからから飛び降りる話をした。だけど、一度死んだからって、そこに広がるのは青い草原では無かった事や、だからって絶望がまた背後から襲ってくるわけでも無い。ただ、広いって事。

” 知恵をいつも求めてる” って最後の方に書いてあった。空のペットボトルの底には本当に今、何も無い。苦しいや哀しいっていう何かは私の中身じゃなくって外見の一つ、皮膚のどこかの一つみたいになってる。3年前の悪夢から助けてくれたのは、のむらさんと彼氏のミッチーだった。二人との出会いが大切な意味を記していた事に今日になって気づく。

そして、夫のアルコールが再発して、地獄が来なかったら、こんなメールも気軽にやりとりしてなかった。もしかしたら、興味本位で男だけど男じゃない男の人とおしゃべりするだけの友人だったかもしれない。地獄にありがとうなんて口が裂けても言わないけど、こうなった。

私も知恵を求めてる。写真を撮ったり、映像を撮ったり、下手くそな文章を日記に書くのは生きる知恵を得るためだと思う。特に最近はそうなった。仕事でもあるけど、お金を得る為の仕事だけじゃない。いい瞬間に出会いたいとか、写真を撮るセンスがどうとか、こういう道で生きたいとか、憧れてるからとか、そういう理由はもう残ってない。ずっとずっと、知恵を探してる。地獄に落ちても、ちゃんと生きていく為に。