夕飯

夕飯 06.5,2021

ここ数日、料理をサボってた。酒の肴ばっかりだった。今日は夕方から料理を作ろう。ベランダでとれた大根をピクルスにする。ぬか床をまわす。冷蔵庫に入ったままの立派な長茄子を焼き浸しにする。料理を作ってると優しい気持ちになる。すごくいい気分。夕飯はカツオの刺身があるから、あとは、ちょっと何か作ろう。

携帯を開くと、リョーコちゃんからのLINE。なんだか辛そうだった。雨に濡れて冷たくなった子犬を抱きしめている様な気持ちになる。言葉の一つ一つから全身で小刻みに震える体の振動が伝わってくる。不思議だなって思う。リョーコちゃんとは、なぜか同じような事を同じタイミングで考えている時がある。神様も占いもお化けも、信じないわけじゃないけど、そんなに期待しない。だから、例えるならたまたま居合わせる。晴れたら気持ちがいい公園で。雨が降ったら駅のホームの端っこで。そういう場所で出会える。私が勝手にそう思ってるだけかもしれないけど、私達はタイミングよく同じ場所で出会う。彼女が話す言葉が今の私の言葉の様にも聞こえる。どうにか、力になれたらって思った。

一昨日にミオちゃんが家に置いていった坂本祐二さんの本。” 初恋と不倫 “。「これは全然大丈夫だから!」正直、ミオちゃんを今、呪ってる。何度、” 呪ってるからね!” ってLINEしようと思ったことか。読みかけのまま置いてある。

本は”初恋”の話と”不倫”の話と二部構成。”初恋”を一昨日に読み、読み終えた時にベッドに横たわり、天井に向かって死にたいって言った。5分くらいかな、じんわりと自死を考えた。私のどこかをバネで跳ね上げたように何かが飛び出してしまったみたい。自律神経がダウンしたり、鬱になったり、PMSの時になるのとは全然違う。死にたい想いが確証を見つけてしまったような感じ。だけど、そもそも私、死にたかったわけじゃない。そして”不倫”を昨晩に読んで、残り3pで閉じた。不倫も浮気もした事がないから、そよ風だって頬に当たらない。内容はもうあまり思い出せない。読もうかな、やめようかな。本は凛とした佇まいでベッドの横にまだいる。

夕方にポストにまゆみちゃんからの手紙が入ってた。パリからようやく到着。”ドラマチックに行きたいけど、ポジティブがいいね。”って書いてあった。最近、マユミちゃんが隣の家の娘みたいに可愛くて仕方ない。ドラマチックって言うのは、山あり谷ありっていう事だよなぁって思わず吹いた。

やっぱり、私は不倫はしない。坂本祐二さんの不倫が解読出来なくていい。だけど、いきなり自死への想いが飛び出して消えたように、苦しみで得たものは、痛みから何かに変わろうとしてる。こないだ奥さんのモラハラが原因で離婚し、5年経った今も未だ苦しそうに話す男に会った。私は離婚して5ヶ月。彼を見ていて気づいた。私も今もナイフで刺されたまま。だけど、血は止まってる。それに、刺さってるナイフの位置も丁度いい。まるでアクセサリーみたい。友達の子供なんかが見たら、それ、私もつけてみたいって言いそう。明日は早く起きよう。

夕飯
カツオ丼
海老と海苔と納豆の味噌汁
大根と豚肉の台湾風
豆腐の照り焼きステーキー
ぬか漬け


大根と豚肉の台湾風
イチョウ切りにした大根
豚肉
醤油
オイスターソース
アニス
砂糖