
ここ数日、プロダクト紹介用の映像を作ってる。すごく楽しい。先週にユウヤくんとうちで撮影した。テーマは家庭の中のストーリー。曲は姉にお願いしてる。2作品作っていて、一つは静かな曲。もう一つはワルツにして、とオーダー。最近、姉の曲がまた変わってきた。年始にお願いして即興曲を作り始めてもらった時は、とにかく重くて、重さの中に光が溢れるような曲もあったけど、聞いてて泣いてしまいそうになった。少し前からリズムが早い曲が増えてきた。焦っていたり、攻撃的だったり、気持ちの抑揚が感じられる曲。音をずらしてるような曲も時々あって、次の音にハマれなくて、階段を踏み外したまま、重力の通りにも出来ないで足と身体が幽霊みたいにこの世に浮遊していくような曲。ああ、今日は不安なんだね。彼女の心の内はバレバレだった。
今回はすごく良かった。”朝の5時に一気に作った” LINEにメッセージと曲が送られてきていた。とても潔い曲が多かった。例えるなら、曲を弾きに行っている感じ。
何だか、そうだよねって思った。歩くっていうのは目的があって歩く。ぼんやりと歩いていたら、いつまで経っても行きたいどこかには辿り着かない。道の途中でドラゴンボールに出てくるようなキントーンを貸してくれるような神様なんて現れないし、疲れて座り込んだって、白馬の王子様はいつまで経っても迎えに来ない。もう、若い時に経験出来た事は出来ないんだよな。歩くだけで君には可能性がある!みたいに言ってくる大人はもう一人もいない。だって私がその大人になったから。残念ながら、劣ろえていく身体を、劣ろいていく心や思考をしっかり持って、歩いて行くしかない。いよいよこれからが本線だなって気がしてる。そう、歩かなきゃいけない。自分の向かう場所を目指して。
映像の大場さんが、新刊のよしみさんの写真をとても褒めてましたよって成田さんから聞いた。嬉しくなって大場さんに連絡する。ずっと大場さんとお喋りがしたかったから嬉しい。けど、調子に乗った私が悪かった。とにかく私の写真の事を褒め称えてはいるけれど、同じ分だけ私の駄目な所を的確に言い当てた。「よしみさんは臆病だから、それは写真にとって致命的なんです。」臆病だからここまで来るのに時間がかかったのは現実の通り。やりたいと思って直ぐに人様の前で写真を撮る勇気も無ければ、自分の写真が人に見られる事だって恥ずかしかった。わかってるよ、大場さん。あなたのその鋭い嗅覚、すごいよね。
大場さんは一線で活躍されてる。そういう人に、とにかく、あなたの写真はいいんだよ。と褒められるのは勇気が出る。だけど、辛い。「崖から突き落とされて、ブラックホールに花束を放り込まれた様な気分です。」私の今の気持ちをメッセージした。
わかってる。わかってるけど、未だ傷も痛いよ。わかってる。全部、言い訳な事も。だって、私は臆病だから。