
5時過ぎに目が覚める。昨晩はボンヤリしながら眠りについた。読書をしようと本を手に取ったけど、何だか億劫。そうして億劫なまま朝がやってきた。何だかおかしい。携帯でカレンダーを開いて調べてみる。あ、もしかして、もうPMSの時期に突入してるんだ。排卵日の後は、高温期になり気分は徐々に低下していく。今、その一途を辿ってるんだ。一昨日からの偏頭痛が止んだと思ったら、気持ちのダウン。そして何だか億劫になる。このサイクル。ようやく慣れてきた。それにしても、コロナが無かったら、一人の生活にならなかったら、自分の身体の事なのに気づけなかったな。痛みやそれ以外の色々は日常に溶けていたし、生理になった後にイライラの原因は生理だったのね、と自分に事後報告となる日々だったから。
あーやる気しない。今日はのんびりしよう。お湯を沸かしている間、なんとなくベランダに出た。毎朝、なんとなくベランダを散歩する。植物の新芽が出たかなとか、アブラムシが葉っぱの後ろに隠れていないかとか、恥から端までをのんびりと徘徊。よそのお宅から見たら、毎朝、早朝に何やってるんだろうって不信がられてるかな。空は曇ってるけど、風が気持ちいい。あ、ハーブティーを飲もう。
先週にひとみちゃんがベランダになってるハーブを見て、これハーブティー出来るよって教えてくれた。それから、時々ハーブを摘んでは飲んでる。
今日は、ラベンダーとセージ、ミントを選んだ。ネットで調べると、ラベンダーはリラックス、セージはホルモンバランスによるイライラが解消されるらしい。ベランダにパソコンとハーブティーを持って、テコはパンの欠片を持って、一緒に椅子に腰掛ける。昨晩に来てた、のむらさんのメールを開く。2年前は一緒の場所で話してたのに、今は遠くに離れて話してるなぁと感じる。別々のどこか高い場所にいて、そこから街を見下ろして、静かに何が見えるか話してる。
のむらさんの知り合いが先日に亡くなったと書いてあった。自分が思うよりずっと急に死はやってくるのかもねって書いてあった。うん。そう思う。今日の私に限っては、生きる事を頑張ろうとは思えないのだけど、そう思う。
ベランダでハーブティをすする。美味しいな。もう一杯お代わりをしてから、朝食を作ろう。いつもトーストだけど、今日は何故かパンは焼かずにピーナッツバターをサンドする。美味しくってパクパク食べた。
最近になって気づいた事がある。以前は、PMSを持つ女性は、生理になる度に感情がアップダウンするせいで、否応なしに豊かな表現力を身につけてゆく生き物なのだよなぁと考えていた。だから、女性っていうのは泣いたり、怒ったりするのが上手なんだろうって。だけど、ちょっと違うかも。表現力は確かに身につく。だけど、この問題に対する事象だ。本質はそこじゃないかも。
生理が始まり、その二週間後に排卵をする。そうすると一気に体温が上がり、脳内の神経伝達物質やホルモンが異常を起こし、身体や精神がどんよりとしてくる。頭痛、吐き気、腰痛、腹痛、不安感、イライラ、倦怠感など。私は薬は苦手だから飲まないけど、どんよりな身体には鎮痛剤、どんよりな心には抗鬱剤が効くのだそう。そして、抗鬱剤は幸せホルモン、セロトニンを増やす薬。鬱病の時に飲む薬と同じ。
そう、生理が起こる事で身体と脳が変わる。トースト派だった私が急にサンドイッチを作りベランダで食べ始める閃きはPMSらしい気がしてる。だって、PMSの時は、また違う私の脳になるから、いつも通りには出来ない、いつもなら我慢出来る事が出来ない、いつもなら哀しくない事が悲しいし、いつも食べない何かを急に食べ出したりする。それって、脳がもう一人の自分に変化する時間なんじゃないか。
それに、PMSの時は適当にご飯を作る事が多い。億劫だからなのか、後先を考えられない。それもいいんじゃないか。何かを作ろうなんて目指さないでいい。いつも通りからの脱却だ。苦しいのは、脳と身体が変わろうとして、違う行動を起こすから。けどそれって、新しい何かが見えるタイミングでもある気がしてる。
辛い事や苦しい事は悪くない。PMSが、あまりに酷い場合は病気が潜んでる可能性もあるから早々に病院にかかった方がいい。それに、トラウマとの相性についても最悪。蟻地獄みたいに、とにかく引きずり込まれるから、トラウマにはトラウマとして問題に向き合う必要がある。だけど、そうじゃない場合は、よくよく観察して見ると、結構面白いかも。不味い物を食べると、その不味さが苦いのか酸っぱいのか、舌がピリピリする、喉が焼けそうとか、身体が実体験を通すことで、どう不味かったのかが鮮明になる。どうしてかわからないけど、世界に色がつくと、不味かった経験はいつしか楽しいに加担してたりする。
不思議なのだけど、だから、あれ?そんなに悪くないかも。
苦しいも、いつもじゃない自分も、きっと怖くない。