お弁当

Journal 04.6,2021

朝6時に家を出た。料理家さんの中島ふみえさんの料理を撮りにアトリエに行く。少し眠いけど、楽しみ。嬉しい。不思議なのだけど、最近どこかに行く事や、誰かに会う事が楽しみで仕方ない。ワクワクしてる。早く帰らなきゃ、スーパーに行かなきゃ、その間に仕事のメールを返さなきゃ、彼からのLINE電話がずっと鳴り響く。毎日を追いかけられる様に過ごしてた日々の中に、私って本当にいたんだろうか。最近のワクワクがとても不思議。

中島さんとの出会いは、元夫の店。正確に言うと、きちんと保健所に申請を出してやってる店じゃなく、バーだったり珈琲屋だったりスナック、居酒屋、雑貨屋と、その時々で業態が変わる祐天寺の駅から少し歩いた所にある3坪程度の小部屋。大きな看板の威圧感は少し異様で、平穏な街から浮いてる。中島さんとは珈琲屋だった時に出会った。そこで彼の勧めで仲良くなれた。

彼には感謝してる事がある。一つに、結婚が料理を撮ろうと思うきっかけになった事。もう一つに、人に出会えた事。そんな事をアトリエからの帰り道に思い出した。

お土産に頂いたお弁当。帰宅して早々にほうじ茶を淹れて食べる。中島さんはヴィーガン料理の料理家。料理を作ってる姿は今日初めて見た。料理がどうして面白いのかって考えると、美味しいからは理由じゃなくって、その人の知恵を知るのが楽しい。どんな食材をどこで買ってきて、どうやって切って煮て焼いて、どう調味するか。その人の身の上話を聞くみたいに、静かに関心をして頷いて、ただただ嬉しくなる。料理って生きる希望だなぁってつくづく思ってしまうし、だから作っても作っても飽きない。その人の生きる知恵が詰まってる。見た目よりも中身が知りたい。綺麗よりも味が食べたい。中島先生のお料理。とても素敵だったな。