そら豆

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", 酒の肴 20.6,2021

試しに頼んだ千葉の農家さんから無農薬野菜が届いた。人参、キャベツ、ケール、ブロッコリー、そら豆、玉ねぎ。早速料理を始める。色が鮮やかだし、しなやか。見て触って直ぐにわかる。野菜が元気。だけど、こんな量じゃ直ぐに食べ終わっちゃうよ。思う存分食べたいなぁ。しょうがない、一気に食べないで大切に食べよう。これで3000円、やっぱり高いな。だけど、美味しい。困ったなぁ。

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『わたしを選んでくれる人』6月19日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

隣駅のグラフィックデザイナーのMさん。同い年。質問が多い。色々な事に興味があるのか、日々質問がやってくる。「何階の何向きにお住みですか?」うん。今日も怖い。この質問攻めの体制が一ヶ月のやりとりで段々と整ってきてはいるけれど、この少々の恐怖だけは慣れない。気のせいかもしれないけど、気のせいかな。会う約束をしてたのだけど、丁度仕事が入ったのを理由に、仕事時間は全然違かったけど、断った。

28歳のエンジニア。秋葉原で遊んでそうな男の子を捕まえてしまった。「よしみさん。どうして僕だったんでしょうか。」けげんな顔をしているのが想像出来た。「ゴールデンレトリバーを抱いてるのが可愛くって。」、と姉に最近のマッチング状況について報告すると、「おいおい!お前はクーガーか。(アメリカで年の離れた男の子を食う年増の女の事)」と、電話の向こうで大声で叫んでいた。ああ、なんでもいいよ。クーガーでもウゴウゴルーガでもなんでもいい。ただ可愛かっただけ。犬が。再来週に映画の約束をしているけど、どうかな。行くのかな。もう少しメッセージを重ねてからと思ってる。こないだ、思いやりの話になって「思いやり過ぎてもよくないですよね。」みたいなメッセージがきて。メンドくさいぞ、と心で思った。思いやりなんてのは測るもんじゃない。誰かや何かの為にやりたいからやる。それって人間らしい営みなのだよと思った。例えば、愛みたいなものとか。

よみうりランドに住んでる美容系の経営者のりょうさん。バツイチ。同い年。背丈も同じ。安心の安全な紳士な感じ。メッセージが丁寧。シンプル。軽快。緊急事態宣言が明けたらお茶をしましょうとの事。お誘いも丁寧。大人だなぁとしみじみ。ただしみじみしてる。

27歳、広告、学大在住。NAOさん。うん。若い。どうしようも無く若い。どうしてマッチングしたのか憶えて無い。学大って顔をしてる。もし一駅隣のお住まいだったら、速攻で断ろうと思ったけどギリギリセーフ。隣駅は悪魔の土地だ。実際に祐天寺には悪霊払いの塚がある。兎にも角にも私にとって呪縛スポット。ご飯の話になって、NAOさんが三茶の中華を教えてくれた。完敗、完全にストライク。餃子が出てくるまでの瓶ビールと小皿のつまみと店の雰囲気だけでご機嫌になってしまうやつだ。私が興奮した感じのメッセージを送ると「攻め込みましょう!」との事。お礼にお気に入りの寿司屋兼沖縄料理屋さん(私が元夫に寿司を投げられた店)を教えてあげた。あの日の事は忘れない。呼ばれて出かけたのに、頼んだビールが無くなる前に「お前帰れよ!」と夫に叫ばれ帰った。隣に座ってた友人も夫が私の頭を叩いたり、寿司を投げるのを見て笑ってた。後に、この男が夫にお金をあげて会社を隠れて作った。という散々な思い出もあるけれど、綺麗さっぱりと塗りつぶしていこうと思う。年が離れてるからなのか、気を使わないでメッセージ出来る感じが楽。中華と寿司沖縄を攻めに行く日が楽しみ。

昨日の午後に会う予定だったモギさん。34歳。会社員。仕事がスーパー忙しい、らしい。支度をして家を出ようと思ったところでメッセージ。「夜の19時くらいになりそうです。」えー!この支度バッチリさんの私に19時まで、このまま待てと!5時間。うーん。うーん。きっと前の私なら待っただろう。前の前までの私なら全く待たなかった。うん。断ろう。仕事が大変なのは仕方ないけれど、仕事してるなら仕方ないかぁ(前の私)とも思ったけれど、あ、危ない。時々出てくる前の私の感覚。だから騙されちゃうんだよな。
だけど、よくよく考えてみると、「仕事だから!」と、平気で色々と嘘をつく男に8年間も騙され続けた私は馬鹿だった。だって想像すれば簡単。1時間や2時間、3時間。半日。そんな長い時間、誰かが待ってると思いながら、別の事に集中できるものか。頭の隅に空腹の待ち人を置いて置きながら、誰かと食事をしたり、誰かとお喋りを楽しむなんて非常に難しい。「これはビジネスだから仕方ないんだよ。」なんて、嘘でも言えない。そう、私は嘘が嫌いだ。だって、傷つけるのはわかってる。

「ごめんなさい。今日は仕事が急な対応で終わらなそうなのでやめましょう。今度、ビールをご馳走します!」私なら早々に断る。だって、申し訳ないし可哀想だから。物事というのはとてもシンプル。自分が出来ない事は、他人も出来ないっていう感覚でいい。世界には色々な人がいる、だから私と合う人と一緒にいればいい。嘘つきは嘘つきとどうぞご一緒に。そんな程度の話。というわけで、腹が立ったので会うなら明日の昼にとお願いした。もぎさん、写真の雰囲気はとっても良さそうだったけど、どうかな。私、こう見えて、酸いも甘いもではなくって、500人に1人しか食べたことが無い激辛を堪能している女だもの。(元夫の病。双極性障害は500人に1人が持っていると言われている。)