揚げ浸しと冷やし饂飩

『わたしを選んでくれる人』 " 雑誌の企画で綴り始めた日記 ", 和食 25.6,2021

二日酔い。久しぶりに飲みすぎた。
とても楽しい1日だったな。昼は楽しく料理の撮影をして、夜はデート。久しぶりの外食。どれだけ久しぶりの外食だったんだろう。外でお酒を飲むのもそう。とにかく楽しかったな。お陰で今日はしっかりと二日酔い。午前に少しだけ仕事をして、午後はベッドに倒れた。目が覚めると部屋はもう暗い。梃子が顔をペロペロ舐めてくる。今日は朝に梅干し饂飩。昼に素麺。うーん。夜もつるっと麺がいいな。野菜が食べたいから揚げ浸しでも作って冷やし饂飩にしよう。

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『わたしを選んでくれる人』6月25日 ” 雑誌の企画で綴り始めた日記 “

27歳、学大、広告代理店NAOさんと来週に行こうと言ってた三茶の町中華。3日前にやっぱり木曜日に行こうとなった。仕事から帰って急いで支度。NAOさんが営業の確認を電話でしてくれる。どうやら19時からはお酒が呑めないのだそう。せっかくだし、お酒も呑みたいので、魚しんに変更となった。魚しんは元夫に寿司を投げられた沖縄料理と寿司屋の店。NAOさんは少し早く着いたようで公園で時間を潰してた。あ、ちょっと写真とは違うかも。少しだけぽっちゃりした男性だった。まぁ、楽しく寿司を食べよう。

お刺身の5点盛り、ネギトロこぼし、イワシの握り、島らっきょう、ゴーヤチャンプル。どれを食べても美味しい。彼が先々週に辞めたという仕事の話を聞いたり、私の腕の内側にあるタトゥーの話をしたり、たわいも無い話をしてお店が閉店の20時で店を出る。もうちょっと話たいし、三角地帯に行こうとなった。立ち飲みのお店に入る。少し混み合ってて、マスクをしながらお酒を飲んだ。多分、お互いにちょっと酔っ払ってた。話が徐々に砕けてくる。彼は学生の時から都市論に興味があるそうで、公園という場所は誰にでも平等に与えられた公園の原義であるユートピアでなくてはならないのに、日本の公園では浮浪者が横にならないようにベンチは仕切りをつけたデザインが施され公園という場所の意味合いが異なってきているのだそう。私の知らない話が沢山そこにはあってとにかく楽しかった。そして、「どうして離婚したんですか?」って。余計な事は言いたくなかったから、身近な人に病を患った人がいるかどうか、そう言う経験をしたことがあるか確認してから手短に説明した。「わからないのに聞いてすみません。」と言ってた。この人は素直で賢い。そんな気がした。

お酒も話も止まらない。夜だけがどんどんと更けていく。小腹が空いたねってなって、立ち飲みを出て、商店街の途中にある修羅場に行く事にした。ここも若者でいっぱい。声がぎゅうぎゅう。「僕、声が通らないんですよ。」「私も。」少しだけ顔を近づけて話をした。焼き鳥。揚げ浸し。チーズマカロニ。オーダーしたつまみがテーブルに並んでいく。魚しんでもそうだったけど、料理を食べる度に目をまん丸くして「これ、一番美味しい!」って言ってる。全部、一番じゃんって思った。幸せな人だな。揚げ浸しが大好物だと言ってた。私の作る揚げ浸しは美味しいよって言おうとしたけどやめた。気づけばぎゅうぎゅうの声はいつしか無くなって、客はぽつりとぽつりとテーブルの所々に散らばってる。「あ、終電そろそろですね。」店を出てバイバイして、世田谷線に小走りで向かうと電車は丁度行ってしまった。あーあ。歩いて帰るか。世田谷通りを家に向かって歩く。夜道が急に寂しさに包まれていく。大分この感覚は薄れた筈だったけど、何でだろう、私を女として見てくれる男性に会うと感じてしまう。虚しさがじわじわと心を侵食してく。私は8年もの間、いつも夫と住む部屋に帰った。どんな夜も、明るい夜でも、暗い夜でも同じ様にあの場所へ帰ったのにな。私、何やってんだろう。8杯くらい飲んだかな。そこそこに酔っ払ってる。こんな気持ちは厭だ。私に負けたく無い。携帯を開くとNAOさんからLINE。環七の歩道橋でメールを返信した。「今日は本当に楽しかったですね。」