アップルパンケーキ

朝食 20.9,2021

最近ハマってるアップルパンケーキ。塩も砂糖も入れない。気分でパルメザンチーズを少し表面にふる。地粉の甘さを感じる程度の調味が丁度いい。

今日はMV風のショートムービーの撮影。昨日はあんなに早くにベッドに入ったのに、どうしてだろう。全然寝付けなくて、夜中も何度も起きたし、3時位に目が覚めて、全然寝てないじゃんって目をつぶりながら焦った。体力が無い私にとって寝不足は大敵。あっという間に朝が来て、支度をして8時過ぎの電車で鎌倉へ向かう。どんな有名人が現れたって、私の無関心な反応についてアシスタント時代に師匠にお墨付きを頂いたくらい私は緊張しないタイプだけど、きっと寝れなかった理由は珍しく緊張したんだろう。

鎮さんが現場に来たのは少し遅刻して13時20分。軽く打ち合わせをして、直ぐに撮影に入った。MV風なんて初めて。それに、そもそも映像で人を撮るのは初めて。しかも、歌ってるシーンを撮る。どうなっちゃうんだろう。けど、やろう。準備はきちんとしてきたし、どう撮ったらいいのかもわかってる。ただ、初めてなだけ。

最初のシーンを撮り終えて、次の現場へ向かった。楽しい。アシスタントをしてくれてるミカちゃんも、ショータさんも皆んながよく動いてくれてる。いい現場だな。今朝、寝不足なままにバスを待って、電車を待った。朝のちょっと冷んやりした空気の中で不安を余所にちょっと可笑しくなった。なんていい朝何んだろう。

殆ど寝れずに夜から暗闇にベッタリと付き合ったまま新しい今日を始める。そう言えば、私、寝不足は慣れっ子だった。換算したらそんな1日を1年や2年くらい軽く費やしてきたかもしれない。男の酒気が滞る部屋を出て、朝陽を浴びながら機材を持って撮影に出かける。また裏切られちゃったんだなぁ。胸がキリキリするけど、背筋を伸ばして歩こう。あの朝も、あの朝も、きっと希望に満ちてた。けど、今日の朝は緊張して寝不足だなんて、幸せな朝。人生って本当に可笑しい。

二つ目の現場。段々と色々が打ち解けてきたり、会話も少しずつ弾んで、もっともっと楽しくなる。鎮さんは想像とは全然違う人だった。事前にチェックしたMV。見れば見るほどに感心。かっこいいなぁ。沢山のMVに出てる。当たり前だけど、音楽が好きなんだなぁ。歌が好きなんだなぁって。「歌詞のカンペ作りますか?」って聞くと、「見ちゃうから要りません。」って。ちゃんと歌いたいのがよくわかった。ミュージュシャンの夫と8年も共に生活をしてきたのに私は音楽の何を見てたんだろう。あの男は「僕、ミュージシャンなんです、メジャーデビューをしたんですよ。」って会う人会う人に言ってたけど、何だか音楽でも写真でも、そうじゃない色々でも、何者かになろうと必死になる人って何がしたいんだろう。前はそれが夢を叶える誠実な行為なんだと思ってたけど、じゃあその夢って一体何なんだろう。鎮さんは全然そういう感じじゃなかった。

たったの半日一緒に過ごしただけで詳しい事はわからないけど、あの男の音楽とは違かった。帰りの電車で、シュワちゃんがトレンディーだとか、紹興酒の話とか、車窓から見える月が綺麗だとか、そんなたわいも無い話をしてバイバイしたけど、全然違かった。

少し前から感じ初めた事の一つに、どんなに仕事で疲れてもイライラとしなくなった。疲労困憊で足が上がらないよーってなっても、それより、あー楽しかったぁってほくほくしてる。焼き芋みたいに、ふわっと温かい何かが口の中に立ち上がるみたいに。今日は本当に楽しかった。