
早朝に起きて仕事を片付けて、講義を受けて、また仕事を片付けて昼食を食べて、ようやく休日だ!と思って家を飛び出ると、何語だかわからない言葉で喋る若い女の子が近寄ってきた。一生懸命に話してる言葉は日本語だったみたいだけど、彼女は中国人らしく、携帯を貸して欲しいと言ってる。2時間も短パンにサンダルのパジャマみたいな服でここにいるのだそう。話が全くよくわからないけど、何も持って無くて、友人が鍵を閉めて家を出ちゃったんだそう。どうゆうシュチュエーション?と思ったけど、とにかく可愛そうだったので携帯を貸した。
乗りたいバスの時間があっという間に過ぎた。その女の子は「どうしよう?」しか言わない。この寒さの中あと何時間待つ気なんだいって、もう15分くらいここにいる私の方がイライラしてきた。「警察が直ぐそこだから、お金借りて家に帰るのはどうかなって思うんだけど?」「もしくは、今からバイト先に向かう。」「もしくはネットカフェで手当たり次第連絡をあちこちに入れてみる。」どれも不採用で、どうしようしか言わない。ずっとインスタの友人にメッセージで「ナタリーだよ!」と名前を送ったり、出ない電話をかけ続けてる。
私の休日。数時間の休日がどんどん終わっていく。一緒にただ待ち続けるべきか否か、すごく迷ったけど、携帯をどうにか返して貰う事にした。ごめんね。私ならここで待ってるだけっていうのはしないと思う。だから、立ち去る方を選んだ。その代りに、彼女とバイバイしてから、彼女がメッセージを送ってた友人らにどうして私の携帯からメッセージを送ってるのかと、今彼女が困っている事、彼女が立ちすくんでる場所の住所を送った。バスの中での数十分は仕事をしようと思ったけど、彼女のSOSを送り続ける事で終えた。
絶妙な気持ちのままバスを降りて、銭湯へ。久しぶりのサウナ!気を取り直し意気揚々とサウナへ向かったけど、サウナはぎゅうぎゅう。少し待ってから入る事にした。ドアを開けると肉の塊みたいなのが二つ、床にゴロンと虫の交尾みたいにどっからどこまでがそれで、あれなのかわからないのがあった。これ何?!黒いパンツを履いたまるで双子みたいにそっくりの筋肉質の怖そうでイキってるお婆ちゃんが二人。こ、怖い。さっと一回戦目を終えて、二回戦目。肉の塊は、別々らしくて、別々に出て行って、また別々に入ってきた。イキってる双子も出たり入ったりしてとにかく目線が怖い。肉塊の片方が私の足元でゴロンと寝そべった。嘘みたいな光景だよ。大きな肉の塊がどすんってここにある。今にも私の身体に吸着しそう。こんな休日嫌だ。
だんだんと妙な光景の理由がわかってきた。これは、サウナ陣地取りの戦だったんだね。帰ろう、お家へ帰ろう。私が出る時、若い女の子が隅で申し訳なさそうに座っていた。
受付のアイシャドウのブルーが2cmくらいある50代の女性に「スタンプ集めますか?」って言われたけど、断った。