
あっと言う間に週末が終わった。今日の心理学の講座。完全に私はマインドワンダリング状態。始まってから終わるまでずっと周三君と遊んだ昨日の事がぐるぐるとぐるぐるとぐるぐると、目眩を起こしそうなくらいに回転してる。先生の言葉も生徒の言葉も耳を通り過ぎるところまでは見えてるのだけど、勝手に行方不明になって、気づけば昨日を追いかけてる。
途中の休憩時間にキムチご飯を食べたのも悪かった。後半の講義は完全に夢うつつとなった。最後はもうノートを取るのを諦めた。今日は正直言って学んでる所の話じゃない。注目すべきは俄然昨日だと全身が言ってる。周三君はいい人間だと思う。だけど、変わってる。私がよく知ってる病の変ではなくて、竹を割ったような、武士みたいな感じで、今のところ東京では見たことがない。あんな武士。
私が一人勝手にワインを飲み始めたのも悪かったのかもしれない。帰り際にハグをしようと言われて、びっくり仰天した。彼のやる事、為すことに衝撃を受けてる。だけど、結構にまともな発言と行動で、納得がいくから、ああ、そうだね。ってなる。それで、頭は混乱したけどハグをした。ハグってどうやるんだっけ?最後にしたのは元夫の誕生日。「今日は帰る、だから信じて、信じよう」とお互いに誓って、そして、やっぱり本当に帰らなかった。あの嘘が確か最後の嘘。それ以降は、もう怖くて1ミリも彼の全てを信じられなくなってしまったから。あのハグから1年と3ヶ月ぶりのハグ。久しぶりのハグは何だかすごく硬かった。
結婚するまでも、いつも誰かと恋愛していたし、ハグなんて数え切れないくらいにしてきたのにな。ハグってどうやるんだっけ?その人を想いながら抱きしめ合う。何だろう、今の私には空港でするハグか、無事に何処かから生還した時のハグしか思い出せない。私の記憶はどこに行っちゃったんだろう。昨日のハグ、もう一度やり直したい。