朝5時過ぎに起きて、まだ半分寝てる梃子を無理やり起こして電車に乗って実家へ向かった。ああ、怠い。ちょっと気持ち悪い。二日酔いだな。
昨晩、帰宅してから酔っ払った勢いで周三君に聞いてみた。土曜日にちょっと立ち寄った近所の喫茶店でお気に入りの席に座り、私は背の低いグラスに入った白ワインを、周三君はケーキセットを頼んだ。話が楽しくて楽しくて、気づいたら3杯おかわり。私は案の定、酔っ払ってご機嫌となる。保険の契約みたいに私達はカップル成約を交わして、帰り際に子供の話しになって、私は養子に興味がある旨を伝えた。周三君は賛同してくれていたように思う。
あまりに突然の出来事に心のどこかは私の恋が一瞬で終えた事をちょっと寂しく感じてる。駆け引きを楽しみたかった訳じゃなくて、恋を、愛でて、育てたかった。そして、段々と熟していい色合いになってきたら、相手の気持ちはどうであれ、そっと触れただけでも溢れてしまいそうなままに、好きだと言ってやるんだと私のシナリオは大体完成していた。
「どうしていきなり付き合いたいと言ったの?」むずむずして聞けなかったここ数日。酔っぱらいの私が聞いた。周三君からの回答は至ってシンプル。「今だと思ったから。」直感なんだと。熟りきれないままにもぎ取られた私の恋心は、流れ星を見過ごしてしまったような気持ちが一杯のままだ。ずるい。やられた。
母とスーパー銭湯へ行き、お昼は海老のカクテルサラダを山ほど食べて、夕方頃まで二日酔いは続いた。どこからどこまでが夢なのかわからない。