朝食

パン 28.11,2021

半同棲3日目。先週から怖いくらいセックスしてる。「ちょっと多いよね。」周ちゃんが心配そうに言った。「こういうのは季節物だから。そのうち回数は減るし、いいんじゃ無い?だって、旬はその時に食べないと勿体無いじゃん。」私の回答が明答だった様で感心してた。周ちゃんは私の言葉をよく喜んでくれる。その喜びの内訳についてはよくわからないけど、目をキラキラさせてる周ちゃんを見るのは私も嬉しい。私達が出会ったのはマッチングアプリ。私は雑誌の企画で初めて、周ちゃんは同僚に展示の会期準備の忙しい最中に「仕事ばかりして、くさくさしてる場合じゃ無いですよ!」って、登録する事を勧められたのだそう。そして、数日後に私とマッチングした。「プロフィールの文章に惹かれたんだよ。文章にはその人が出てるから。」もう10回以上、そんな話を聞いた。

結局、今日もとにかく話し合った。それに、周ちゃんの同僚に教えてもらったふたり会議っていうアプリで、マネーリテラシー、コミュニケーション、ライフプラン、キャリア、色々な題材を元にずっと話を続けてる。何だか一緒に会社を設立するパートナーみたい。恥ずかしい話も沢山あるけど、経営の為ならば恥じらいよりも真意について話そう!そんな意気込み。何だか初めての体験がとにかく楽しい。

夕方から編集のリリさんの新居へ編集の成田さんと一緒に遊びに行った。ベッドの横に半年前に私が撮ったトウモロコシご飯の写真が飾ってある。リリさんが子供みたいにボロボロと涙を流した日の写真。昨日、彼氏が出来たんだそう。色々と話をしてくれたけど、とても素敵な彼だった。あの失恋があったから結ばれたんじゃ無いか、そんな気がした。女っていい生き物。失恋したって美しく生きちゃうんだよな。成田さんは少し気になってる子の話とか、仕事が忙しいって話しとか、色々を話してた。リリさんが二人が一緒に働いていた編集部の編集長から “リリ子を応援してる”ってメールを先日に戴いたって話をすると、成田さんの目には涙が溢れてた。何だか、そんな成田さんって人間が本当に大好きだって思う。こうして何年も一緒にいて、いつも会う成田さんじゃ無い成田さんを見つけるのが嬉しい。いつもの彼は誰もが認める元気ハツラツとした好青年だけど、こうして食卓を囲んだ時に見えるすごく繊細で、身体のあちこちに持ってる色々な感情に驚く。すごく素敵な光景だった。どうして今日カメラを持ってなかったんだろう。

家に帰ると部屋には誰も居ない。梃子はベッドで寝てる。周ちゃんがいない家は何だかすごく落ち着いた。やっぱり一人で暮らすのが好き。だけど、周ちゃんに会いたい。周ちゃんがもうたっぷりと好きだ。

夕方、家を出る前に周ちゃんに話をした。「私の色々が、例えば男性とハグをするとか、恋をするとか、セックスも。トラウマだった指輪をつけたいって思ったのも全て周ちゃんのお陰。もし、例えば周ちゃんが誰かを好きになる様な事があっても、それはすごく哀しいけど、周ちゃんにはもう十分に感謝してるから。」

この人は一体なんなんだろう、直感で結婚を選ぶなんて。プロポーズをしてくれた周ちゃんを信頼するよりも、まだ出会ったばかりの人に積もる不安だとか、私のトラウマが彼との距離をしばらく狭めてくれなかった。身の回りの友人等にそっと話をしたけど、出会って10日でプロポーズしてくる男に誰もがぶったまげて、心底心配してくれた。私も200%友人の言葉に同意だった。「結婚を決めたのは直感だよ。喫茶店であなたが話していた事が心にすごく響いて、それで、あなたを幸せにしたいって思ったんだよ。」彼の言うところの直感が私の人生を前へ前へと動かしていく。あっという間に巻き込まれてしまった様にも思う。夕方に何であんな事を伝えたのかわからないけど、彼が好きだけど、彼を私の物にしたいとは思いたくない。私の人生を変えてくれた。この現実がここにあるだけで、もう十分。こんなに沢山を貰ってしまって、これ以上の我儘は言えないよ。

朝食
オムレツチーズサンド
ソーセージとバターだけのサンド
カフェオレ
バナナとブルーベリーのスムージー