汁なし麺

Journal 03.12,2021

出張の準備であっという間に夕方になった。汁なし麺をささっと食べて六本木へ。今日は編集のリリさんとのお仕事。食べ過ぎた。お腹がパンパンに張ってる。

スタジオに入ると沢山の人。あー嫌だな。この人数はキャパシティオーバーだ。前の撮影が押して、少し待ってから撮影が始まった。あっという間に終えて帰宅。帰り道はリリさんとずっとお喋りした。楽しかったな。本当にこういう時間が好き。何だか、最近すごく写真が楽しい。今までも大好きだったけど、もっともっと好きになった。夜の撮影は嫌いだったけど、夜の撮影も好きになった。ぼんやりと今日の余韻に浸りながら帰るのが心地いいって事も覚えた。

時間が私だけのものになったら、私のご機嫌がどんどん増殖していくのがわかる。本当にまた結婚しても大丈夫だろうか。周ちゃんが大好きだけど、家族も欲しいけど、私の時間はきちんと私の側にいてくれるだろうか。無理矢理にかさぶたを剥がすみたいに、治らない傷が日常になるような日は絶対に来ないって言えるのだろうか。

お風呂に入ってベッドルームへ向かう廊下で明日出す予定のゴミ袋を見て変なことを思い出した。私、あの人が部屋にしたオシッコを何回片付けたんだろう。こんな事、周ちゃんが聞いたらどう思うかな。嫌だ。元夫が酔っ払って部屋でオシッコをするのが癖になった時期があった。何度片付けたんだろう。テコの犬用のトイレシートは吸水力があるからよく吸い取ってくれた。嗚咽しながら深夜に一人で片付けて、手を洗って、冷たくなった身体でベッドへ入る。隣でジャケットを着たままの男が酒気を部屋中に撒き散らしながら大きなイビキをかいてる。

彼だって優しいところは沢山あった。だけど、いつからわからなくなっちゃったんだろう。朝起きて、甘えてくる彼にいつも安堵した。この人は変われる。僕は弱いからっていう口癖も彼の努力の様に見えたし、私が出来る事はたった一つ。「君の為に変わる。だから僕を信じて。」と言う彼の言葉を信じる事だけ。

愛っていうのは一体なんなんだろう。信じても叶わないし、頑張れば頑張るほどに孤独になってく。先週の金曜日に久しぶりにカウセリングを受けた。私の近況や変化した色々を聞いたカウンセラーさんがすごく驚いてた。「ラジオをやってるのだけど、良かったらよしみさんの話をしてもいい?」

その日は愛だとか、結婚についての話をした。色々な形があるよね。私のそれは何だろう。「結婚とは、相手も自分も幸せにするものでしょうか。」自信なさげに聞くと、カウンセラーさんが言った。「前にあなたが言ってた事ですね。」お互いを知り続ける。それが対話に繋がる。それには、自分も前を向く事。

周ちゃんといると、周ちゃんといる時間以外も楽しい。仕事も写真も楽しい。褒められたり、応援して貰うのも嬉しい。周ちゃんの仕事の話を聞くのも楽しいし、フィールドワークから帰って、嬉しそうに話す顔を見てるだけで陽だまりの中で全身が緩んじゃうような気持ちになる。だけど、沢山の時間を一緒に過ごしたいけど、私の時間も、写真も仕事も、友達との時間も、限りなく削りたくない。したい事も沢山あるし、デートに使う時間はきっと20%くらいが限界。だから、毎晩一緒に寝れて、朝晩の食卓を囲めたら、十二分に幸せな結婚になると思う。カウンセラーさんが言ってた私の言う結婚はそうゆう事なのかな。一年後、私達はどんな暮らしを送ってるんだろう。