
今日から雨が続くらしい。朝食はフミエさんが沖縄で買ってきてくれた宗像堂のパン。そのまま食べても美味しいし、焼いても美味しかった。山若くんはスナックへ行くと張り切って出かけ、私とフミエさんはなっちゃんと一緒に車でのろさんの畑へ向かった。野菜を収穫しながら畑を案内してもらって、ご自宅で味噌を味見したりしながら色々な話を聞いた。のろさんは何度も「楽しい。」と言ってた。それに、ふみえさんのファンだったらしく、ふみえさんに会う今日をとても楽しみにしていたのだとか。午後は柿田水産へ行き、そこでも色々とお話を聞き、お父さんが作った味噌汁を頂いた。
何だかすごく疲れた。海がずっと撮りたいのだけど、海を静かに見たいのだけど、中々チャンスがやってこない。あっという間に夜だ。今夜は私とフミエさんと山若くんの三人だけの夕飯。ご飯はなっちゃんが炊いてきてくれた。今日の献立は、田作り、里芋の煮物、ホタルイカの沖漬け、アジのたたき、人参の茎やカブの葉の炒め物、人参の葉っぱのサラダ、なめこのお味噌汁、ご飯、ビール、日本酒。お腹がはちきれそう。
昨晩から周ちゃんのアパートには、数日後にアメリカの家族の所へ行くお母さんが滞在してる。周ちゃんから電話が来たのはお母さんとの夕飯が終わってから。電話を切ったのは12時過ぎ。結構長いこと電話をした。何だかすごく疲れた。ふみえさんと山若くんはとっくに寝てる。
「僕はあなたがどうしたら幸せになれるかをいつも考えてるんだよ?」
「そんな事、私だって考えてるよ。」
何だかアホくさい会話だった。周ちゃんは遠距離恋愛をしていた彼女と2年前に別れた。理由は婚約破棄。愛しているから別れを選んだと聞いたけど、今日は彼女の話をしていたと思う。だから、しばらく黙って聞くしか無かった。着火したのは私。「愛は時として物理的距離が特効薬になるんだよ。」投げた言葉の打ちどころが悪かった。わかってるよ。私だって、愛の為に別れたのだから。絶対に、絶対に離婚なんて選びたくなかったけど、愛していたから別れた。言い方を変えるのなら、私を愛してあげるために別れた。
あれから私は私の事ばかりを考えてる。自分の事をご機嫌にすることで精一杯だ。その一つの方法論として別居婚も考えていたほどだし。だって、まだわからないんだよ。周ちゃんを愛していきたいとは思ってるけれど、どう幸せにしたいかなんてわからない。