湯葉鍋

Journal 17.12,2021

朝一番に鎌倉で撮影を終えて、午後はマリンバ奏者の千田くんのポートレートの撮影で渋谷へ。千田くんに会うのは2年ぶりくらい。嬉しいな。

千田くんは絵描きの野村さんに紹介して貰ってから仲良くなったけど、高校の親友ユウキの音楽学校の後輩だったという何とも縁を感じる出合いだった。久しぶりの千田くんは驚く程にスリム。「よしみさん、僕が痩せた理由知ってましたっけ?」千田くんは2年前、とんでもない彼氏に振られた失恋で20kg痩せたとの事。そのハードな哀しい失恋話をピザまんを食べながら聞いた。痩せすぎて病院を3軒回ったけど、結局ただの恋煩いだったのだそう。私は離婚と結婚の報告をした。「ああ、旦那さんと大変って言ってましたもんね。」全く覚えてない。コロナ前は平和だと思ってたけど、大変だったらしい。最近、たぶん、また記憶が消えていってる。あの頃の事を前の様にぱっと思い出せない。全く違う今日が過去の上にどんどん積み重なってゆくみたい。ずっとずっと下の方にあるから見えない。

久しぶりに色々とお喋りして、写真を撮って、マリンバを演奏して貰って、演奏させて貰って、何だかすごく楽しかった。

夜は藤原さんと藤原さんの彼氏のしんちゃん、周ちゃんの4人で湯葉鍋をした。村上美術のゆうやくんは仕事のトラブルか何かで来れなかった。しんちゃんには、ちょっと前に鎮座ドープネスさんの映像を撮らせて貰った時に大変お世話になった。改めて食卓を共にしてすっかりしんちゃんのファンになってしまった。しんちゃんは少し年上で昔俳優をやってたのだそう。その名残なのか、言葉だとか表情が独特。藤原さんの家族の食卓の事をあの食卓は眩しくてって話してたのがとても印象的で素敵な表現で何だかぐっと心に響いた。

二人は少しづつ、少しづつ、長い時間をかけて一緒に生きていく為の形を作ってる。何だか私と周ちゃんは本当にこれでいいのかなって不安になった。藤原さんは、私達の事を昔からの付き合いみたいで、出会ったばかりとは思えないって言ってたけど、嬉しいようなそうでも無いようなよくわからない気持ち。

周ちゃんは私を大切にしようとしてる。私もそうだけど、私達はどうして結婚するんだろう。理由は好きだからだとしても、好きだけど離婚した男もいた。ならば、私達はどうして一緒に生きたいんだろう。事実婚にするか、法的な結婚にするのか迷ってる。結婚って何なんだろう。どうして籍を入れたり入れなかったり、愛だけをただささやかに誓い合うだけじゃ駄目なんだろうか。ややこしい事をしてまで何を私達は望めばいいんだろう。