ラザニア

夕飯 20.12,2021

昨日、所沢の周ちゃん家でミュージアムのキュレーターの同僚達とピェンロー鍋をした。優秀な仲間だと日頃からよく話は聞いていたけど、想像以上に世界の違う場所に位置する人達だなぁと思った。周ちゃんもそうだけど、彼等はアートに関するプロフェッショナル。とにかく色々な事を熟知していて、ただただ感心する様な言葉くらいしか私からは出てこない。

同僚の高橋君は周ちゃんと歳も近いし、何だか風貌も少し似てる。そして、周ちゃんの色々を知ってるみたいで、周ちゃんが私に話さなかった恋の始まりにあった事を当たり前の様に教えてくれた。中には赤面してしまいそうな事もあったけれど、とにかく一つ残らず戴いて、明日にでもニヤニヤしながらテーブルに広げて愛でたいと思った。

それにしても、好きな男の友人だとか同僚に会うっていい。私の知らない周ちゃんっていう男に出会ってしまった。その人は想像以上にいい男で、時空を超えたどこかで同僚となってエレベーターで「お疲れ様、休憩にコーヒーでも飲まない?」なんて、内心ではドキドキしながらフレンドリーに声をかけてみたい。とにもかくにも、惚れ直した夜だった。

お陰様で私の恋に火が付き助走して母に伝えたLINEが事故となった。”新年明けて、ママパパに紹介したら結婚しようと思ってる。” 彼氏が出来た事ですら母にとっては衝撃的なニュースだったのに、大分すっ飛んだ報告をしてしまった。周ちゃんは油が馴染んだ茄子が好きだと聞いていた。だから今夜はラザニアに揚げた茄子を入れたら最高だろうと作ってみる。携帯がバイブしてる。ディスプレイには “パパ” と表示。19時半。絶対にもう晩酌が始まってる時間。一気に気分が落ち込んで行った。親が子供を心配するのは当たり前だと思う。だけど、私がようやく離婚の闇から抜け出せたのに、この1年の間、少しずつ少しずつ、本当に亀の一歩くらい小さなステップで前へ進んで出会った恋。あれだけ怖かった男性にまた触れられる日がやってきた。今でも周ちゃんっていう人がいつどこから降ってきたのか理解出来ないくらいに、世界が真っ逆さまにひっくり返った。だけど、父も母も喜んでいないんだ。あの二人はあの過去に留まったまま。

何も知らない風呂上がりの周ちゃんは満面の笑みでラザニアを頬張ってる。美味しい美味しいって、なんども美味しいと言って食べてた。この人を悲しませたくない。周ちゃんは好きだった女の両親に婚約を破棄された過去がある。その時の事を 、人生ってどんなに頑張ってもどうにもならないことがあるんだよねって笑いながら話していたけど、それは私には大抵想像が出来ない哀しみだよ。

不安がただ募る。

夕飯
茄子とミートソースのラザニア
シラスと蕪のオイル和え
柚子の味噌漬け
蕪の葉の台湾風
昆布のナンプラー佃煮
納豆
野菜の味噌汁
ご飯