ふみえさんのお粥とスーパーのアジフライ

夕飯 27.12,2021

気付いたらもう昼。ほんとに厭だ。イライラしてくる。苦しい。時間が無くて苦しい!ベッドルームが朝陽で一杯になる頃、この本だけは読ませてと私にお願いした。カウンセラーさんの本で、プリマリタルカウンセリング、日本語で言うと婚前カウンセリングについてよく書かれた本。アメリカでは一般的らしい。1時間くらい夢中になって読んだ。ああ、また心理学を勉強したい。掃除機で一瞬で吸引されてしまうみたいに本の中に落ちていった。時間に追われるように洗濯だの、昨日の撮影データの入れ替えだの、瞑想だのをしてたら時間が勝手に過ぎていく。ほんとに苦しい。

簡単な化粧とランチ用のパスタを作りながら映像データでパンパンになってしまったHDDの買い替えたりを同時にやって食べてダッシュでカメラバッグを片手に駅まで走る。もう厭だ。疲れた。ほんとに厭。寒いのも辛くてダブルアタックされてる。青くて澄んだ空も何だかひんやりしてて優しくない。そうして一本電車を乗り過ごした。ふみえさんのアトリエへ急ぐ。「お疲れ様〜。」ふみえさんが笑顔で迎えてくれる。いつも元気なふみえさんといると、私の感情が上を向いたり下を向いたり忙しなく浮遊するのがわかる。ふみえさんも氷見でのシェフインレジデンスから帰ってから猛烈に忙しい師走を駆け抜けてる。私と同じ状況なのに最近ハマってるキックボクシングにさっき行ってきたの!とご機嫌な様子。未だ私はもう厭だを心で連呼中。それにしたって嫌すぎる。もしかしたら、ホルモンバランスが崩れてるのかな。何だかおかしい。

フミエさんを見習おう!フミエさんの太陽みたいな笑顔に少し元気が出てきた。よし、今日はストライキ。もう仕事はしない。帰りにデパートでアディクションの口紅を買って帰ろう。三茶のスタバに寄って甘い物を食べながら年末の暇を持て余してるみたいな女をやろう。コーヒーとマフィンを買って二階奥の席につく。シーンとした店内は混み合ってる。遠くにややかっこ良さげな男の子を見つけた。ああ、周ちゃんに会いたい。デンバーに着いたと今朝連絡があったけど、あなたは今何処だい。コロラドに入ってから一切の連絡が無いじゃないか。何だか、電話って言う連絡網が途切れたら急に忘れてしまいそうな気持ちに襲われてる。周ちゃんって本当は夢なんじゃないか。当たり前な昨日が世界から急に消えてしまう事を私は見た事がある。だから、ここにいない周ちゃんを信じてない。あれは、世界で一番に愛していた男がナイフを持って刺してくるような現実だった。最高と最悪がミックスして、プラマイゼロじゃなくて、最高と最悪がただ身体を引きちぎるみたいに対極に存在して、むちゃくちゃ痛い。ちぎれてくれた方がずっといい。どっちかの気持ちになれたらどんなに楽なことか。

あれ、ものすごく痛かったな。周ちゃんの顔が見たい。動く周ちゃんを見たい。私の毎日はこのままだと完璧になってゆくよ。きっとストライキが明けたらまた直ぐに絶好調になる。そしたらどんどん周ちゃんがいない今日が日常になっちゃう。

夕飯はキノコのお味噌汁をささっと作って、フミエさんに頂いた自然食で作ったお粥とスーパーで買ったアジフライ。何だかニコチンパッチを張りながら喫煙してるみたいな気分。周ちゃんからLINEが入った!