
朝食はパンケーキ。バタバタと食事をして、仕事。あっという間に昼が過ぎて出かける時間。今日は後藤さんと後藤さんの彼のマサくんと忘年会。忘年会の前に後藤さん家の近所にある銭湯に今年最後のサウナに入りに行った。年末は1年を振り返ってゆっくりと過ごしたかったけど、全然そんな時間が無い。錦糸町の街を歩きながら何だか頬を通る風に思い出した。ああ、昨年の今頃はすごく怖かったな。離婚届を出したのは12月4日。もう元夫はいないのに、だからもう酷い事も起きない筈なのに、毎日の何処かがひんやりとし続けた日々。あの背筋が凍る感じや、胸のざわつき。久しぶりに思い出した。私はきっとこれからまた色々を忘れる。何だか周ちゃんに沢山の我儘を言ってしまいそうな気がした。この生活がやってくるまでは本当に長い道のりだったけれど、今が始まったらあたり一面は今一色になる。忘れない方がいい。これから新しい日々がどんどん温かい場所になっても、周ちゃんへの感謝を忘れないようにしよう。
それに、結婚はするけど、他人のままにしておきたい。一つになりたいじゃなくて、側にいてくれたら嬉しい。そんな関係でいたい。上手くいくか分からないけれど、私は今のままで彼とは交わりたく無い。もう誰かを傷つけることも傷つけられることも、同じ鍋の中でごった混ぜになって不味い何かになる必要なんてない気がしてる。大切にしたい。だから、別々でいい。
後藤さんの家に着いたのは17時過ぎ。後藤さんは色々とご飯を作って待っててくれた。私はキムチと焼プリンを作って、後は蒲鉾を持って行った。乾杯はビール。目を見合わせて笑った。かける言葉が多すぎるから、お互いに笑うしか無かったんだと思う。エベレスト登頂から帰還した有志みたいに生きてる今に歓喜。そんな感じだった。生きてて良かった。本当に良かった。私達は生きてる。あんなに酷い事があっても、今は笑ってる。
マサくんはお父さんが交通事故に遭って今日は来れなくなったけど、オンラインで参加。何だか面白い感じの忘年会。後藤さんが1時間並んで買ってくれたというマグロとキムチの和え物は絶品だった。ワインも2本目。結構飲んでる。後藤さんは顔が真っ赤でマサくんに飲み過ぎだって笑われてた。幸せだな。本当に幸せ。ああ酔っ払ったな。
帰ってお風呂を出たところで周ちゃんと電話した。周ちゃんは今日からまたロードトリップが始まるんだそう。後藤さんにデニムを4本貰ったことや、プリンを焼いたこと、新年会は4人でしたいとか、はしゃいで話してたと思う。今日、後藤さんと過ごせて良かった。明日で今年が終わる。長い長い1年がようやく終わる。何だか今日は言葉が出て来ない。どんな気持ちがするのかも上手にわからない。ただ、嬉しい。