
どうしたものか、姉妹とは似てるものだなぁと思った。朝起きて携帯を開くと姉からLINEが入っていた。L.Aの朝の景色が何枚も何枚も。何だか朝じゃなくて夕方みたいな写真。姉は朝の5時半に散歩するのにハマってるのだけど、最後の100mはダッシュするのだそう。100mダッシュ。私も好きなやつだ。さっと服を着て歩きに出かけた。とにかく気持ち良くてハマってる寝起きの散歩。ベッドが大好きなのに、ベッドから抜け出す朝もやめられない。
歩き出すと、”DVの女の人のドラマを見てる。” また姉からLINEが入ってきた。 “見たくない。” と返す。よくもまぁ、暴力も離婚理由の一つだったのに、そんな私に報告してくるもんだと思った。ま、そういうことだろう。全然問題ないよ。だって私は人を殴った事は無いもの。被害者になったとしても加害者では無い。いや、そうなのかな。今でも少し後悔してる。上手く説明出来ないけど、どうして私は警察に通報したんだろう。だけど、これって日々の事でも思う。正解そうな事はわかってるけど、本当にそれが正解かどうかはわからないこと。正しいって何だろう。人に話したら、「それは間違いだよ!あなたは悪く無いよ。」と背中を押して貰えても本当にそうなんだろうか。確かに人は殴っちゃいけない。だけど、殴った男の手は許されなくても、心はどうなんだろう。そうして世界に閉ざされて、男の心は何処へ向かうんだろう。
仕事をしていたら直ぐに夕方が過ぎていた。冷蔵庫の奥に覚えのない南瓜が一つ。今夜は南瓜グラタンにしよう。冬と言えばグラタンの季節。母のグラタンは黒い蓋のついた丸い皿に入ってる。黒い器の中で白くぴかぴかと光っているグラタン。