
朝一番でフミエさんのアトリエへ写真を撮りに行く。料理教室の撮影をして、料理本の打ち合わせ。それから、ちょっと動画を一緒にやってみようという事になった。何だかちょっといい予感。
帰って少し仕事を済まして近所のみっちゃんと家の側のもんじゃへ。みっちゃんとは2ヶ月ぶり。結婚の事は会ってから話したいと思っているうちに年を越した。「実は、。結婚するの!」私の言葉にもんじゃを手際良く鉄板でカチャカチャと音を立てていたみっちゃんの手が止まった。目をまん丸くして驚いてる。そりゃそうだよね。最後にみっちゃんに会った私は彼氏どころか結婚のけの字だって無かった。まだ引っ越して1年ちょっとだけど、引っ越す事も伝えた。寂しそうにしてたけど、「寿物件だね!よしみちゃん家に住みたい!!」と本気で考えているみたいだった。彼氏と一緒ならなぁと渋っていたけど、「自分が欲しいものは自分ひとりで手に入れた方がいいよ。」とアドバイスして、「それに、自分が手に入れたものなら、彼氏と別れようが自分のものだよ。」と付け加えたら、少し納得してた。その気持ちよくわかる。私も同じ様な事を思ったり、してきた過去がある。怖いのもよくわかる。勇気が出ないのもよくよくわかる。誰か、例えば、彼氏だとか夫だとか、そんな隣にいてくれる存在が自分を幸せにしてくれるんじゃないかといつしか期待してしまう。だけど、そうじゃなかった。自分の幸せを他人に任せるのはもうやめた。不幸だって同じ。私のものならば、どっちだって気分がいい。だってやりきってるもの。爽快であることは間違いなし。大丈夫。怖いけど、大丈夫なもの。明日は誰だって怖いもの。その程度。放っておいたらいい。
みっちゃんがお祝いにもんじゃをご馳走してくれて、また鍋でもやろうねとバイバイする。帰宅してポストを覗くと茶色い封筒が一通。裏面にフランス語の住所と、英語で日本の住所。表面に漢字で祝と書いてある。2021年12月21日のまゆみちゃんからだった。フランス語の勉強で忙しい、私の結婚の報告を手紙で読んで驚いたけど私らしくて朗報を手紙で知った時に頭にぱっと浮かんだ言葉があるよと記してくれた。よく読めないフランス語だったけど、日本語で訳すと、報いるとか、必然みたいな意味で、この結婚は偶然ではなくて、決められた未来なのだとか。まゆみちゃんはパリに単身ぽんと行ってしまうような面白い子だけど、フランス語がとにかく大好きで、そんな彼女らしい表現だなと思った。嬉しいな。心のこもった言葉が贈り物みたいに感じる。まゆみちゃんありがとう。ほんと、素敵な友人。大好きだよ。
何だか急にもくもくと体中に結婚への実感が膨らんできた。この街を本当に離れてしまうのか。この家も街も、この街に住む友人たちとの日々もあと3ヶ月でバイバイ。こんなに街が家が大好きになったのは人生で初めてなのに。寂しい。新しい暮らしへの希望もあるけど、ここが好き。大好き。