味噌汁とごま油

Journal 25.1,2022

10月にパリのマユミちゃんに書いた手紙が戻ってきた。一通目は10月10日、病院から梃子の癌宣告を受けた日で “酷く落ち込んでるけど負けないみたいな事が書いてあった。二通目は10月21日、梃子の手術の事についてと、最近自分の周りで恋の朗報が多くあってすごく嬉しい。私には何も無いけどね!と書いてあった。書いていた時の気持ちをよく覚えてる。あの頃の私はまだ多分怖かった。前向きな言葉の裏側には未だトラウマの影が潜んでる。とっくに日常が戻っていたと自覚していたけど、またあの人が世界を壊すんじゃないかとビクビクしていたのかもしれない。

手紙を記した10日後くらい、周ちゃんに出会った。そして来月に結婚する。本当に世界はわからない。2021年の10月の私がありありとここにあるけれど、全く違う今を当たり前の様に生きてる今もここにある。身体はきちんと今日迄を吸ったり吐いたりして一枚の皮で繋がっているけど、心はあちこちに破片の様に散らばって交わろうとしない。すごく変。だけど、静か。

夜、周ちゃんに電話した。まとまりの無い話を沢山した様に思う。仕事の話も少しだけした。とにかくワガママに話した。トラウマを過去にしたのは紛れもなく周ちゃんのお陰だ。たまたま遭ったとしても、タイプだったからだとしても、彼の魅力に惹かれたとしても、意味があるのか無いのか、運命なんてものはよくわからないけれど、明るく生きる為にすごく必要な人だったと思う。

「俺も一人で生きるって思ってたからなぁ。半年前、まさかこんな事になるなんて想像もしてなかったよ。仕事して、週末はフィールドワークしてって。一人で生きていけたから。」

仕事の後に、編集の柳瀬さんにさくらももこさんの本を借りた。タイトルはやきそば うえだ。表紙は焼きそばのイラスト。食べたい。周ちゃんはお好み焼きが得意らしい。焼きそばも上手そうだな。