
「チーズのみ、マヨチーズ、バターチーズ、どれにする?」「バターチーズ!」周ちゃんはバターが好き。それはやっぱり北海道生まれな気もしてる。朝食は私が作って、周ちゃんはバナナジュースを作る。それから洗い物は周ちゃん。なんとなくそんなルールがいつもになってきた。急いで朝食を済ませて支度をする。今日は近所の友達に聞いたブライズチェックの日。三茶にある不妊治療専門の病院へ向かった。正直、本当に子供が欲しいのか未だわからない。家族が欲しいっていう憧れはあるし、産んでみたいとも思ってる。病院は一番の予約だったけれど、沢山の人がひっきりなしに出入りしてた。年齢も様々。男の人も数人見かけた。
看護師さんの話を聞いて、先生との面談。「年齢的に時間がありません。急ぎましょう。」よく聞いていた話だった。最近、生理の調子がちょっとおかしい事と、少し遅れてる話をした。「このまま妊娠してたらいいですね!一週間来なかったら妊娠してるかもしれません。」先生がにこりと笑った。優しい先生だな。不思議な気持ちがする。私、本当に妊娠してたらどうなるんだろう?
お昼はシバカリーワラでカレーを食べ、歩いて帰宅した。今日は穏やかで気持ちがいい。「周ちゃん、先生がさ、一週間生理こなかったら妊娠してるかもしれませんねって言ってたんだけど、何だかすごく不思議じゃない?先生でもわからないんだって思ったよ。」周ちゃんはちょっと嬉しそうな顔をしてた。子供が欲しいんだろうな。いや、正確には子供が欲しかったのかもな。私にプロポーズした時に、私は年齢的にも子供は産めないかもしれないからもっと若い人にした方がいいよみたいな話をした。そしたら、子供はどちらでもいいって言ってた。出会って短い間だけど、子供に話しかけたり、遊んだりしているのを見かけたことがある。街で目が合えば、にこりと微笑んだりしてる。
私はどうなのかな。離婚してから急に子供に興味を持ち始めたけれど、私の生活に子供が入ってきたらどうなっちゃうんだろうか。帰り道に色々と話したけれど、結局実際やってみないとわからない。案外楽しいかもしれないし、よく耳にするように大変かもしれない。考えたって仕方ないよねって。
帰宅してお互いに仕事をする予定だったけれど、ソファーで周ちゃんの首元にもたれかかったまま寝てしまった。1時間半くらい寝てた。周ちゃんはその格好のまま仕事をしてたらしい。周ちゃんって人がどんどん好きになるけど、私がどんどん我儘になっていきそうで怖い。