別府冷麺

エスニック 04.2,2022

手帳に書いた夢100個の中のひとつ。好きな人といい温泉宿に泊まる。人生初の大分県別府で案外すんなりと叶った。贅沢な旅館に好きな人と泊まり、お酒をちびちび呑みながらその土地でとれた野菜や魚を食べ、夜空を見上げながら一緒に露天風呂に浸かる。最高過ぎる。別府は周ちゃんの前職アート関連の仕事で働いていた街。埼玉に来てからも毎年芸術祭の時期は訪れてるのだそう。色々な思い出が詰まった九州。到着した足で別府冷麺を食べに行った。

宿は一棟ずつ離れになっていて、お風呂は露天が3つ。内湯が1つ。温泉天国だ。周ちゃんは別府にいた時にいつかこんな旅館に泊まってみたいなと思ったのだそう。だから、私達はそれぞれ夢の旅館での宿泊となった。

夕飯を食べながらいつものように下らない話でケタケタ笑いあう。周ちゃんの恋愛昔話を根掘り葉掘りと聞いて、周ちゃんがモテてきた過去をふふん〜とニヤニヤしながら想像するのが好きな私は今夜もひつこく聞いた。今夜のテーマはもちろん別府。この街で告白された女について。日本の行く先々で周ちゃんは女達を虜にする。別府の女はどんなものかと細かく質問した。「元同僚で、普通だよ〜。」「普通ってなに?」「アート関連の仕事をしていて、小説を書いてた。」「どんな服着てる感じ?」「服〜?普通だよ〜。」「告白された場所は?」「普通に同僚として夕飯を食べに行った時だよ。」「え〜!同僚には告白しないでしょうが。それで何て?何て言われたの。」「彼女がいるからって断ったよ。」「彼女いたのに告白されたの?どうゆうこと?」「退社して遠くに離れるから言いたかったみたい。」「え?ただ言いたいだけの告白?何のためによ。それも持ってけばいいじゃん。」「そんなの俺に言われても〜。」周ちゃんを困らせるだけ困らせて話は終えた。だけど、周ちゃんの恋愛話は私達の食卓を華やかにしてくれる。少なからず私はとても気に入ってる。ビールでごくごくじゃなくて、シャンパンとかスパークリングワインみたいな感じで胸をひとときだけシュワっと浮足立たせてくれる。

好きな人といい旅館へ泊まる夢が叶った。今日に思い残すことは一つも無い。別府冷麺は和風出汁で、三回くらい食べるとハマり出すのだと周ちゃんが言ってたけど、私はもう完全にハマってる。