塩辛

Journal 22.2,2022

独身最後の日、いつもと同じように晩酌をした。今日は朝から渋谷のオーレで富山で昨年末に行ったシェフインレジデンスの打ち合わせ。料理家のフミエさんと編集の山若君。この三人での会話が本当に好き。ずっとケタケタ笑ってるフミエさんと、ボケてばっかりの山若くんに、突っ込んでばっかりの私。あっという間に時間ばかりが経ってしまう。話し合いはさくっと決まって、9月にZINEの北陸行商をしよう、そして温泉巡りをしようとなった。想像するだけでワクワクする。山の中にある混浴に入る為に買うトレッキング用のブーツ、水着、とノートに書いた。それから青山に移動して中華料理店のふーみんで久しぶりにデザイナーの中西君とランチしながらお喋りしたり、夕方にパリで瞳ちゃんとワインを飲んだり、中々いい日だった。空もずっと青くて夜まで気持ちがいい。

帰って家探しのことで周ちゃんとちょっと喧嘩っぽくなった。こんな感じで明日籍を入れるってどうなだろう。けど、私が家への拘りが強いのが原因なのはわかってる。周ちゃんは何だか疲れてる感じだった。1時間くらい家の話をだらだらとし、電話を切った。5分後にやっぱり顔を見て話そうとテレビ電話で掛け直した。「怒ってるよね。」「怒ってないよ。」家の話はやめて、別の色々な話をした。話の流れで私の悩みについても話した。ずっとずっと昔から纏わりついて離れてくれない問題。

「大好きな人、例えば周ちゃんとか、ふみえさんとか、身近にいる人、。本当に大好きで、大好きで、自分との境がバランス崩しちゃって、好きが自分を飛び越えちゃって、時々、、私をコントロール出来なくなるの。それで、傷つけたり我儘を言ったり、自分だかなんだかが混同しちゃって。だから、すごく練習してるんだけど。ゴメンね。」周ちゃんが何て想うかなんて考えずに打ち明けた。私の問題は対象への愛が過ぎると、普段なら優しく出来るような事も、想いやれるような事もぐちゃぐちゃになってしまう。周ちゃんはただでさえ彫りが深くて吸い込まれそうに茶色い瞳をきらきらさせていた。「いや、本当によしみを愛しているよ。初めから思っていたけど、伝えてるけど、よしみのそうゆう所が好きなんだよ。そうやっていつも色々を考えてる。」想像つかないような回答だった。人を困らせてしまう最悪な私の問題について話したのに、何だかすごく嬉しそうな周ちゃんに複雑な気分しかない。私は深刻に悩んでいるし、それがきっと原因のひとつになって離れた友人もいる。今話したのは、私が困ってる生きづらさの話だったのに。

私の悩みは解決はしていないけど、何だかあっという間に救われた。今だけかもしれないけど、この先、悲観的にならないで私を救えそうな気がした。時間は深夜の1時前、3時間くらい話たのかな。今日もよく話した。家の事は一旦保留となったけど、楽しかった。もう寝よう。