
引っ越し屋さんが来たのは14時過ぎ。片付けが終わったのは13時50分。本当にギリギリだった。どうにかこうにか終わった。周ちゃんは昨晩に展示の撤収があって遅く帰宅したのだそう。低気圧の所為でしんどいって言ってた。先週末にうちの片付けを手伝ってくれたから、周ちゃんの片付けも朝から忙しそうだった。
東京を出たのは18時頃。何とか荷物は全てトラックに乗ったみたい。朝から降ってたみぞれ混じりの雨も止んでた。テコをカバンに入れて電車に乗った。何だか心がここに失いみたい。大好きだった部屋にお別れすらしてない。とにかく疲れた。
改札を出ると東京よりも冷たい風。全身がひんやりとして少し不安になった。本当にここで暮らしていけるんだろうか。真っ暗な海みたいに遠くの景色は何も見えない。タクシーに乗って新しい家まで向かう。何処に向かってるのかこの道が合ってるのかもわからない夜をただ走り続けた。降りると背がすらりとした男性が小さい荷物をトラックから運んでる。「よしみ!」周ちゃんだ。荷物を持ったまま駆け寄ってきた。「お疲れ様〜。」ぎゅっとハグをした。周ちゃんといるとアメリカにいる気分になる。姉の所で生活してる時みたいにハグは挨拶になる。それから全部が終わったのは21時過ぎ。へとへとだ。心底衰弱しきってる。とりあえずお風呂へ入ろう。身体の芯まで冷え切った身体を温めよう。慣れないお風呂に湯を溜めて一緒に入った。お腹空いたな。くらくらする。
お風呂から出て、蕎麦を茹でて、後は簡単なおかずを準備した。鯖缶インドカレー味というのにパクチーを乗せたものと、納豆と、ブロッコリーを茹でたもの。蕎麦は練り梅を乗せて梅そばにした。今日は何も考えられない。動物みたいにお腹だけを満たしてベッドへ入った。