3月25日

外の食事 25.3,2022

周ちゃんは朝一番で東京の本社へ自転車で向かった。私はデスク仕事と今日も片付け。朝の梃子の散歩は今日も新しいコースにした。周ちゃんがいないからか梃子が山を怖がってるみたいで途中何度も歩くのを拒む。山の周りに大きな家がいくつか見えた。どれもこれも個性的で素敵。見てるだけで楽しいな。

帰宅して少しデスクに向かう。時間は午前10時頃。さっき朝食をとったばかりなのに何だかお腹が空いた。昨晩の夕飯の残り物、周ちゃんが作ったお好み焼きを冷蔵庫から出して一口だけ。「昔、貧乏だった時によく作ってて、今でも時々作るんだよ。」家に行った時にお好み焼きのソースを見つけて聞いた。「今度作って!」あれから数ヶ月、ようやく願いが叶った。材料はシンプル。小麦粉、卵、キャベツ、豚肉、チーズ、ソース、鰹節。私が食べたお好み焼きの中で一番美味しかった。仮にも一度は関西人と結婚した筈だったんだけどな。その人と食べたのはソースがベッタリとした濃い味のお好み焼きでビールで喉を流し込むにはピッタリだけど、熱々の中味に関しては美味しいのか美味しくないのかよくわからなかった。周ちゃんのお好み焼きはソースとマヨネーズは少し。一見重そうだけど、ふわっとしてて野菜も沢山入ってる感じが美味しい。すごくシンプルで何枚も食べれる感じ。周ちゃんに残して置く筈だったのに気づいたらペロッと食べてた。ああ、どうしよう。けど、甘くてすっごく美味しかったな。

午後は駅前の無印に買い出しと役所へ転入届と色々の手続きをしに行った。初めて駅まで歩いてみた。google mapだと20分。途中何度か迷って到着。買い物を済ませて役所へ。周ちゃんは遅刻してやってきた。私がきっと怖い顔をしてたんだろう。「よしみ、ごめん!書類の確認の電話があって。」初めてあんな真剣な顔を見た。私が不機嫌だったのは17時に終わる役所で、私は世帯主である周ちゃんが来ないと手銃きが出来なかったから。周ちゃんと違って私には手続きする色々が待っていた。

女性が結婚を機に名前を変える事がどれだけ大変なのかって事を敢えて何度も伝えてる。マイナンバーカード、国民健康保険、クレジット、銀行、生命保険。大変なのは手続きの話だけじゃない、もう一つの何かを作るって事。そして作ったからにはそれを担い責任を持つ事も意味してる。新しい姓に私の全てを預けるつもりは無くても、もう一つの熊谷って名前の私が始まる事は多くの犠牲をこれから払っていく事にもなる。編プロを営んでる北井くんが ”四つの顔を持つ女!” とフェイスブックのメッセンジャーで冗談交じりに投げてきたけど、確かにそうだねって思った。また同じリスクを伴う結婚を選んだのは私が馬鹿だからじゃない。法律の制度として生活しやすくする為に受け入れる事に決めただけ。生活は人生を作っていると思うし、生活を大切にしたいから、そうした方がいいと考えて決めた。

5分くらい気持ちが落ち着かなかったから黙ってた。別に怒ってない。だけど、無理に話さなくてもいいや。話したくなったら話そう。不意に何かを聞いたら周ちゃんが閉じてた口を開けた。「クラフトビール買ってきたんだよ。」ミュージアムで今だけ売ってるビールを買ってきてくれたのだそう。可愛いパッケージ。川越の街並みがパステルカラーで描かれたCOEDOビール。原材料を見ると柚子の表記。美味しそう。昨日も出先でクラフトビールを買ってきてくれた。夕飯の支度でバタバタしてたけど、今更ながら嬉しい事だなって思った。周ちゃんは家じゃない何処かで私を思い出してくれたんだ。これ一緒に食べたいな。これ似合うかな。これ見たら喜ぶかな。遠くにいる愛する人を想像する時間は楽しいし、想う事はどうしてなのか幸せな気分になる。

昨年に通ってたオンラインの心理学のコースで学んでいたセルフコンパッション。アメリカの心理学者クリスティーンネフの本で読んで興味を持ったことの一つ。人間は愛情は注ぐ事で幸福を受け取れる。相手に注いだ筈の愛情が自分を癒し幸せにしていく。生活の中でも覚えのある行為だと思う。誰かを想う事は幸せ。人間って生き物はよく出来てる。私の解釈だと、自分で作った愛を自らも食べて生きていけるらしい。だから、夫でも恋人でも家族、友達、仕事仲間、沢山、愛を交換すればする程に愛はこの身体や誰かの血や肉をも共に作ってゆく。だから、わたしはあなたを愛してるのだから愛を頂戴。じゃなくて、愛してて幸せだし、愛してくれてありがとうなんじゃないかなと思ってる。

夕飯は役所の前にあった満州餃子という中華屋さんで私は餃子定食とビールを、周ちゃんはうま煮ラーメンを食べた。美味しかったな。今日もありがとう。