3月31日

Journal 31.3,2022

支度をしてると5時半に周ちゃんと梃子も起きて来た。今日は朝から撮影。埼玉へ引っ越して初めての撮影。前日にタクシーの予約が出来なくて周ちゃんがすごく心配してた。私も凄く不安。東京でさえ朝のラッシュ時にかかる仕事は移動に少し緊張するのに早朝の埼玉からの移動。大丈夫なんだろうか。1日通しての撮影。体力だってすごく使う。色々な不安だけが積もる。周ちゃんはキッチンに立っていつものバナナジュースと、チーズトーストを焼いてくれた。「行って来ます。」「行ってらっしゃい。」家の側のバス停まで送ってくれた周ちゃんは今日もかっこいい。

なんだか落ち着かない朝。本当はひとりで居たい。撮影の香盤の確認、どんな風に撮るか、天気やライティングのこと。周ちゃんが私の為にと色々をやってくれるのは有難いけれど、何だか余計に不安になった。勝手なのはわかってる。しばらく新しい生活が慣れるまでには時間がかかるんだろうな。この不具合に苛々したり不安になったりを繰り返しながら収まっていくんだと思う。人の温度を感じながら暮すのは丁度いいお風呂みたいで心地よいけれどひとりで築いてきた時間を手放したくない。これは私がおばあちゃんになってもずっと側に置いて一緒に生きて生きたいもの。

撮影が終わったのは18時半頃。ホテルの部屋に入って水を一口飲んだら胃がきゅうっとした。すごく疲れた。だけど、いい撮影だったな。いいチーム。いい写真が撮れるのも楽しいけど、いいチームであることがとにかく楽しいし嬉しい。wifiを繋ぐと直ぐに藤原さんからLINE電話がかかってきた。話の内容は来月の福島出張の撮影がキャンセルになったとのことだった。メールで伝えるのは申し訳ないから電話したかったとの事。仕事の話を終えて、私の新しい暮らしや、藤原さんの6月の結婚の話をして電話を切った。仕事のキャンセルは残念だったけど、電話、嬉しかったな。

ホテルの近くのプロントでホタテと菜の花の醤油バタースパゲッティーとレモンサワーを頼んだ。隣のサラリーマンは株の話をしてる。勧誘かな。帰って大浴場で汗を流してから周ちゃんに電話。少し長く話しをした。本当に身勝手。ひとりでいたいって思ったり、疲れて弱ったら彼の温もりを感じたいって電話したり。なんだか少しもやもやした。こういうのはもうきっと好きじゃない。1度目の結婚では、幸せになるっていうのは家の外壁みたいなものをもっともっと高くより高く積み重ねていくことだと信じてた。そうして家族だけの愛や、家族だけの秘密はどんどんと守られていったけれど、その高く積み上がった塀は私達を幸せにするどころか私をどんどんと結婚の中に孤立させるものとなった。もう間違えたくない。新しい結婚は新しい生き方を見つける糧にしたい。これからどんな形になるのか今はわからないけれど、そこで得た色々を周ちゃんにあげれたらいい。家族や友達、仕事仲間にだってあげたい。つい数週間前まで生活していた東京の夜。何だかアーバンだったな。