
ここ最近、元夫の夢を見る。昨晩もまた元夫は私をいつもの様に困らせていた。何がどうなのかは忘れたけど、どこにも逃げ場の無いようなもの。あっちに行ってもこっちに行っても嫌なことが起こる。じゃあどうすればいいの!と怒る自分にも嫌気がさしてきて。だけど、結局、元夫は私を愛していると何事も無かったように言い、私は全部を知っているのに綺麗に塗りつぶして愛のある場所へと戻ってくる。そう、誰かの愛とうちのそれは違うんだ。どれが良くてどれが悪いのかなんてみんなそれぞれ。これが私達の愛の形。だって暖かい。きちんと温もりを感じる。だから、多分大丈夫。きっといい。これが愛。そんな夢の中で、私の胸をプスプスと鋭利なもので刺す元夫に「ああ、またか。」と、途方に暮れかけた時、”もう嫌。こんな酷いこと、私は好きじゃない。” それは、元夫にじゃなくて私に強く言った言葉で目が覚めた。
暗闇の中の先で寝る周ちゃん。その脇に梃子がくっついて寝てる。周ちゃんも梃子もまとめて大きく抱きついた。有難い。本当に有難い。世界は狭いよ。だって自分の目でしか見れないのだから。誰かの目を借りれたらどれほど優しくなれたり悲しんだり出来るだろうか。もっと早くに大切な事にも気づけたかもしれない。私が当たり前だと思っていた愛の世界は、全くもって当たり前じゃなくなった。たったの二年前の話。コロナが置きて、合わせたように元夫の病も色々も酷くなってからの事。
どうして元夫の夢ばかり見るのかわからないけど、夢の中の私は過去にいるのに今にいた。未だ始まったばかりの生活はどこか地に足がついていないような毎日が連続してる。私の居場所は何処なんだろう。安全な生活、周ちゃん、心地よい時間だけがここにはある。梃子は驚くほど穏やかになって、野山を走り回ってる。最近私の体重はまた増えた。どんどんむくむくと大きくなっていく。これから、一体どうなるんだろう。どうなったらいいんだろう。もしかして、ようやく荷が降りたのかな。右へ行くも左へ行くも、我儘言える時がきたのかな。
料理写真を始めたのはどういうわけか元夫がおかしくなってきた頃。私がひとりで前へ進み始めたら、寂しそうにしてた。だけど、そんなのは愛じゃないよ。私には私の人生があるもの。会社を突然やめてきた時も、暴れた時も、嘘をついた時も、どんな時も決まって言うのは私が悪いから。だけど、私がお願いしたのは一つ。「歌って、歌が嫌になったのなら何でもいいから好きなことをして。」私はいつだって応援できるけど、あなたの夢は叶えられないし、叶えたくない。すっかり軽くなった。春みたい。そういえばフミエさんが筍だとか春の山菜を食べすぎると吹き出物がどっと出るよと言ってたけど、私の色々も出てきたのかな。そして新しい何かをするために栄養をまた蓄えてる気がする。春がもうすぐ終わる。