
朝起きてしばらく書斎で作業。7時過ぎにパジャマの上にスウェットを着て梃子と周ちゃんと朝の散歩へ出かけた。今朝の山は昨日の雨でぬかるんでて歩きづらいし、いつもよりも冷んやりしてる。だけど、みずみずしくて気持ちがいい。全部が洗い流されたみたい。
「今日は色々と作業をしようと思うよ。」「うん。わかった。俺は都内の美術館へ行くよ。」周ちゃんが出かけたのは10時頃。休みの日に家で一人でいるのは結婚してから初めて。何だかわくわくした。色々と溜まってる作業がある。フミエさんと山若くんとの氷見のプロジェクトの作品をだとか、フミエさんの作るからだにいいご飯の料理本を出す為に出版社への営業用のポートフォリオもまだ途中、それに私の写真集の日記や写真のデーターの整理も。請求書もやらなきゃ。色々が山の様に溜まってる。
「周ちゃんと一緒にいる時間は好きだし、新しい生活には満足してる。だけど、私の時間をどう作っていいのか。ずっと考えてる。」昨日、郵便局の帰りに寄った駅前のインドカレー屋さんで話した。すごくしょっぱいカレー。塩とカレーが別々に入ってるみたいにしょっぱかった。「うん。そうだね。」周ちゃんは仕事一本の生活を結婚を機に変えた。朝から夜中まで仕事をして、休日も調査の為に自転車でフィールドワークに出る。展示が始まる前には食事の時間も忘れて仕事をするから5kgぐらい体重が落ちてしまうのだとか。私とは真逆の生活。私は私、仕事、生活が一律。寝ないで仕事はしないし、生活の為に仕事を減らしたりもしないし、私の時間もしっかりと取りたい。全部がバランスよく足並みを揃えていないとダメ。全く違う環境の全く違う生き方の二人が一緒に暮らそうというのだから、アンバランスになるのは当たり前の事なんだけど、結婚生活が始まって1ヶ月ちょっと。中々その答えは見つからなかった。
黙々と作業を進める。昼が過ぎて午後がやってきて、夕方の冷たい風が吹き始めた頃にふと寂しくなった。”周ちゃん、いつ帰る?” PCからメールを打った。携帯電話は朝トイレに水没してからずっと真っ暗い画面のまま。”6時半には着くよ。” “わかった。お風呂入れておくね!” 残ってる作業を急いで進めた。一人っきりの家。最高だったな。周ちゃんが帰ってくる、 冷蔵庫に数日前に茹でた豆がどっさりと残ってる。今夜はファラフェルにしよう。